虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

タイの虫 thai insects (3)

サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅⑦

◎サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅⑦ ◆戦場にかける橋 ナムトックへの帰りの列車では、「戦場にかける橋」の英語版ペーバーバックを読む。原作はフランス語だが、フランス語は読めないのだ。それなら日本語にすればいいのに、なぜか格好つけて英語である…

サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅⑥

◎サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅⑥ ◆3匹の野良犬との対決 泰緬鉄道の列車が通り過ぎた後のクウェー川鉄橋駅。線路のレールの間には猫がねそべっていた。次の列車が来るまで、何時間もあることを知っているのだ。のんびりしたものだ。 物欲しそうに昆…

サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅⑤

◎サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅⑤ 6月19日火曜 ◆泰緬鉄道で戦場にかける橋へ タイのクウェー川には、今も旧日本軍が建設した「戦場にかける橋」クウェー川鉄橋があり、タイ国鉄の南本線、ノーンプラドック=ナムトック支線の列車が橋の上を通って…

サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅④

◎サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅④ ◆見逃せない最後の7段目の滝 エラワンの滝の最後の7段目は「PHU・PHA・ERAWAN(エラワンの岩壁)」。スタート地点から2000メートル。流れを渡り、急なはしごを何本も登って、何とか滝にたどり着い…

サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅③

◎サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅③ ◆エラワン7段の滝早分かり ここで、エラワンの7段の滝の簡単な説明をしておこう。何せ「タイで一番美しい滝」と書いてしまった責任がある。蝶とビキニの話だけでは「滝はどこへ消えてしまったのか」と、タイの観光…

サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅②

◎サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅② 6月18日(火曜) ◆サイヨークとエラワンはワンセットがお得 サイヨーク国立公園のホテルに泊まっているのに、なぜエラワンという別の国立公園に行くのか。実はサイヨークとエラワンは隣り合っており、ワンセット…

サイヨーク、エラワン、泰緬鉄道の虫旅①

時事ドットコムの「昆虫記者」でようやく3部作の連載を終えたタイの泰緬鉄道、エラワン、サイヨーク駆け足旅。ドットコムの記事は、旅行中に書き綴った日記を元にしていますが、一応会社の規則、常識に沿っての昆虫記、旅行記なので、内容、分量ともに、検…

夕空を舞う竜の正体は=タイ・カオヤイの旅

這う這うの体でマレーシアのタマンネガラ国立公園から戻ってきました。いやいや、大変だった。生きた心地のしないことが何度もありました。それでも、なんとか生き延びています。写真の整理もやっと一段落したので、徐々に日常生活に復帰しよと思います。 で…

嫌な感じの毛虫と蛾たち=タイ・カオヤイの旅

来週末からは、久々の海外虫旅です。目指すは、マレー半島のタマンネガラ国立公園。その前に、何としても、タイのカオヤイ国立公園シリーズを終結させねばなりませんね。「いつまでやってるんだ」という御批判の声もしっかりと受け止めながら、それでも自己…

聖なるゴキブリ=タイ・カオヤイの旅

タイのカオヤイ国立公園シーリズも、ついにここまで来たかという感じですね。いよいよゲテモノ分野に手を染めることになりました。今回はゴキブリ系です。見たくない人は、早めに退散した方がいいでしょう。怖いもの見たさの人は、心の準備を…なーんて言って…

ハンミョウ色々=タイ・カオヤイの旅

タイのカオヤイ国立公園シリーズ。今回はハンミョウです。 河原の砂地でよく見かけるのが、このハンミョウ。ハンミョウらしい華美な装いですが、日本のナミハンミョウには負けますね。 これはたぶんクビナガハンミョウの仲間。南国には多いですが、ハンミョ…

髭の王様を背負ったカメムシ=タイ・カオヤイの旅

タイのカオヤイ国立公園シリーズ、一気に進めていかないと、次の海外虫旅が迫ってきます。お尻に火が付いた感じで、ラストスパートです。 今回はカメムシと、その他半翅目にしましょう。 まずは、ヒメジュウジナガカメムシに似た感じの、地味なカメムシ。一…

ハムシ色々。最後はやっぱり黄金の指輪です=タイ・カオヤイの旅

タイのカオヤイ国立公園シリーズ。今回はハムシ。ちっこくて、どうでもいい感じのハムシですが、オリンパスTGみたいなマクロ系にかなり特化したカメラを持つと、ちっこいものを撮りたくて、撮りたくてたまらなくなります。どうでもよかったハムシが、お友…

グルグル渦巻きゾウムシとハエ男ゾウムシ=タイ・カオヤイの旅

タイのカオヤイ国立公園シリーズもようやく道半ば。急がないと次の海外旅行(マレー半島のタマンネガラにしようかな)までに、ゴールにたどり着けない可能性が。 今回はゾウムシ系です。なんかノロノロした印象ですね。一番印象に残ったのが、このグルグル渦…

ひょうきんカマキリは幼虫もお笑い系=タイ・カオヤイの旅

タイのカオヤイ国立公園シリーズ。今回は変なカマキリ編です。カマキリと言えば悪辣、強面の肉食昆虫のイメージですが、カオヤイで出会ったカマキリは、ユーモラス、ひょうきん者、三枚目のイメージです。 真上から見た姿は、今にも愉快に踊りだしそうですね…

ホテルはカブクワ用巨大ライトトラップ=タイ・カオヤイの旅

タイのカオヤイ国立公園シリーズ。今回はカブト、クワガタ、コガネムシです。まずは、カオヤイ・アイヤラリゾートの未明の風景をご覧ください。いかにも虫が飛んできそうなたたずまいですね。反対側にはすぐにカオヤイの森が広がっているのです。新月の夜に…

熱帯のコメツキは巨大かつ美しく危険です

タイのカオヤイ国立公園のコメツキ編その2です。前回のは美麗ながらも普通サイズでしたが、今回のはかなりの大物です。 虫だらけの宿、カオヤイ・アイヤラ・リゾートに飛んできたのは、オオアオコメツキ。かなりデッカイです。日本最大のコメツキ、フタモン…

熱帯のコメツキはまるでタマムシ=タイ・カオヤイの旅再開

いつの間にか2018年。新年明けましておめでとうございます。筆不精ですので、色々とお世話になった方々に、年賀状も書いていません。この場を借りて、お礼申し上げます。そして、今年もどうぞよろしくお願いします。 しかし時が経つのははやいものです。…

幻想的なルリモンアゲハ=タイ・カオヤイの旅

タイ・カオヤイ国立公園の黒っぽいアゲハ編です。一番のお気に入りは、黒っぽいのに、その名はルリモン。そう、ルリモンアゲハです。あの青い紋をチラリチラリと見せながら、森の中を飛んでいく様子は、アンリ・ルソーが描く異様に静かなジャングルを思い起…

キシタアゲハ捕獲。えっ、ワシントン条約違反じゃないの?

タイ・カオヤイ国立公園では、キシタアゲハもよく見かけます。トリバネアゲハの仲間の大きな蝶です。もちろんワシントン条約で保護されているので、標本でも国外持ち出しはできないようです。たとえ公園の外であっても、虫とり網を振り回して捕まえるなんて…

ビロードの輝きと毒入りの蝶=タイ・カオヤイの旅

タイ・カオヤイ国立公園は、ビロードタテハの宝庫です。特に、カオヤイ最大の滝、ヘオナロック滝の展望台へと下る心臓破りの階段にはたくさんいて、ハーハー、ゼーゼー言っている虫記者のような中高年観光客をあざ笑うように、左右の手すりの間を軽やかに移…

スソビキアゲハの得意技は、おしっこ飛ばし=タイ・カオヤイの旅

タイ・カオヤイ国立公園の蝶の中で、一番見過ごしがちなのはスソビキアゲハでしょう。アゲハの仲間では世界最小。なのに、体長比での尾(尾状突起)の長さはすさまじく、まさにドラゴン級。なので英語では、ドラゴン・テールと呼ばれているようです。 しかし…

マダラチョウの冷却効果=タイ・カオヤイの旅

雨期のタイ・カオヤイはやっぱり暑い。でも東京に戻ってきたら、もっと暑かった。猛暑の東京にいるくらいなら、虫を求めて東南アジアの熱帯に行った方が過ごしやすいです。 熱帯の蝶の中で、涼し気な蝶と言ったら、やっぱりマダラチョウの仲間でしょう。まだ…

空飛ぶパンジー、タテハモドキ=タイ・カオヤイの旅

タイ・カオヤイの旅。今回はタテハモドキの仲間です。なんでモドキなんだと反発されそうです。人間なのに、人間モドキなんて呼ばれたら、嫌なのと同じです。マグマ大使を知らない世代に、人間モドキなんて言っても、きっと「何じゃそりゃ」って感じですね。 …

タイマイ蝶の宴会会場・タイ・カオヤイの旅1

早めの夏休みの行く先はタイのカオヤイです。雨期なので、糞虫とか洞窟探検とか、「雨でも大丈夫」プランを練りに練って出かけたのですが、何と昼間はすべて晴れ時々曇りという、絶好のお出かけコンディション。おかげ様で、毎日猛暑の中を休みなしに虫撮り…

タイ・カオソックその③ギャル系ビワハゴロモ出現

そして、ついに赤鼻の美麗なビワハゴロモが出現しました。テングビワハゴロモの一種でしょうか。この天女に会いたい一心で、家族の猛反対を押し切ってタイ南部の秘境カオソックまでやってきたのです。天にも昇る気分とはまさにこのことですね。 羽を広げてみ…

タイ・カオソックその②天女との出会いを邪魔する者たち

おとぎ話でさえ、王子様とお姫様がハッピーエンドを迎えるためには、数々の苦難を乗り越えなければなりません。天女の羽衣を手に入れるのも、命がけです。 天然のプール。探検隊には泳いでいる暇はありません。 この穴の中にいるかなと覗き込むと、サソリの…

タイ・カオソックその①天女の気配

カオソック(khaosok)はタイ南部最大の国立公園です。アマゾンに匹敵する太古の昔からの原生林が残る秘境なのだそうな。この森の奥深くには、天女の羽衣がたくさん隠されているのです。そうです。世界文化遺産に大逆転勝利で滑り込んだ三保の松原と…