虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

アオシャク幼虫の擬態を暴く

アオシャクの仲間の幼虫の擬態は有名ですね。しかし、老眼で目が節穴化している昆虫記者はこれまで、やつらの擬態を見抜くことができず、惨敗を重ねてきたのでした。 しかし、ついに今年、やつらの擬態を暴いたのです。といってもたった1匹。その姿がこれで…

子どもの頃は巨大な蜂だと思って怖がっていたオオスカシバが先日羽化しました

我が家でオオスカシバが羽化しました。子どもの頃は巨大な蜂だと思って怖がっていたオオスカシバですが、蛾だと知ってしまうと可愛いものです。 我が家で春に羽化したオオスカシバ。巨大な蜂のようですが、毒針などの凶器は持っていません。 虫の知識が増え…

蛾だけど春の妖精スプリングエフェメラルに入れてあげたいフチグロトゲエダシャク

春です。春の妖精とか、春の儚い命とか訳される「スプリグエフェメラル」の季節ですね。今年のスプリングエフェメラル第一弾は、何と蛾です。雌には羽がないフユシャクの仲間なのに、早春に成虫が出現するフチグロトゲエダシャクです。 発生時期が極めて短い…

東京湾岸でとんでもなく大発生している南国の虫、リュウキュウツヤハナムグリ

東京湾岸で、ある南国の虫がとんでもなく大発生しているようです。リュウキュウツヤハナムグリという、コガネムシ系のちょっときれいな虫です。 琉球の名があるので寒さには弱そうなのですが、何と今頃すでに羽化している個体もいるようです。つまり今なら、…

桜の枝に付いた貝殻の正体は?残念なアワなしアワフキ、トゲなしトゲアワフキ

桜の枝先に付いた白い貝殻みたいな物が気になっている人がいるかもしれません(たぶんいない)。その正体を知りたいと思っている人もいるかもしれません(たぶんいない)。 貝殻の形状は、磯遊びでよく見かけるオオヘビガイに似ています。もしかして、カタツ…

超普通種のヨモギハムシの幼虫が見つからない訳

ヨモギハムシは、ハムシとしては珍しく、なぜか晩秋から冬にかけてが恋の季節です。12月ごろまでせっせと交尾に励む姿が見られて、恋に見放されて冷え切った虫好きの心を温めてくれますね。 成虫で冬を越して、春に産卵する個体もいるようですが、関東では…

ホルスタイン・フユシャク、今冬も何とかノルマ達成

「フユシャク界のホルスタインこと、チャバネフユエダシャク♀を最低1匹は見つけること」を毎冬のノルマ(何とばかばかしいノルマであることか)としている昆虫記者。今冬は絶望か、と思われたのですが、何とかギリギリでノルマを達成しました。めでたし、め…

真冬の公園トイレでニジュウシトリバ。この造形美は孔雀にもジュディー・オングさんの衣装にも勝る

千葉の公園での真冬の虫探し。寒さでお腹が不調では、トイレのお世話になるばかり。虫探しどころではない、と言いたいところですが、トイレはある意味、虫の宝庫ですよね。 すると、何という強運でしょうか、入った個室の壁にマダラニジュウシトリバ(旧名ニ…

新年あけましておめでテントウ。開けてびっくり玉手箱の集団越冬。

雪が積もる森。千葉市の公園を虫探しで歩く昆虫記者の足取りは重い。今日もまた、何の出会いもないまま日が暮れるのか。 樹木名表示板の裏を覗いてみても、いるのは地味なサシガメやクモばかり。しかし、次の表示板を目にした時、何となく「ここには絶対いる…

新春の虫初めは、飾りのような青い小さな羽が可愛いイチモンジフユナミシャクの♀

皆様、明けましておめでとうございます。おめでたい年明けには、何か新春にふさわしい虫を登場させたいところですが、冬場に華やかな虫を見つけるのは、かなり難しいのです。 冬を代表する虫と言えばフユシャクですが、フユシャクで色味があるのは、イチモン…

新春の虫初めは、飾りのような青い小さな羽が可愛いイチモンジフユナミシャクの♀

皆様、明けましておめでとうございます。おめでたい年明けには、何か新春にふさわしい虫を登場させたいところですが、冬場に華やかな虫を見つけるのは、かなり難しいのです。 冬を代表する虫と言えばフユシャクですが、フユシャクで色味があるのは、イチモン…

多摩川台公園でワカケホンセイインコの求愛・交尾をじっくり観察

今回は、またまた東京周辺で勢力を拡大する外来の鳥です。ワカケホンセイインコは、いかにも南国風の装いで、森の中を大群で飛び交うと、真冬の東京が熱帯雨林に変わったような錯覚に陥りますね。 ワカケホンセイインコは新宿御苑などにもたくさんいますが、…

カップルで見たい相思相愛のかわいい鳥、ソウシチョウ

虫の少ない冬は、たまに鳥も撮ります。高尾山周辺で今日出会ったのはソウシチョウ。雄と雌を引き離すと、しきりに鳴き交わす様子が、離れがたい相思相愛のカップルを思わせるので相思鳥(ソウシチョウ)の名が付いたという、ロマンチックな鳥ですね。そんな…

エゾカタビロオサムシの越冬前セクシーポーズ

師走前の水元公園では、意外な収穫もありました。背中の金色の点刻が美しいエゾカタビロオサムシです。東京都区部の都市公園で、エゾカタビロに会えるとは、思ってもいませんでした。 ゴツゴツした樹皮の中に潜り込んで越冬しようとしていたようなのですが、…

マツヘリカメムシが芸術的に見える瞬間

侵入確認が2008年ごろと、日本ではまだ新参者のマツヘリカメムシですが、最近は東京近郊のあちこちで出会うようになりました。今回は葛飾区の水元公園のトイレでバッタリ。皇居東御苑、生田緑地にもいました。カメムシ類は飛翔距離が半端でないので、外来種…

一度噛みついたら首が千切れても放さないというクビキリギリスの噂は本当なのか

今回は「首切り」の話。虫ばかり追いかけていて、昆虫記者もついに会社を首になったのです。というのは嘘。クビキリこと、クビキリギリスの話です。 冬に見られるキリギリスと言えば、その代表がクビキリギリスですね。イソップ寓話に出てくる哀れなキリギリ…

子どもが拾ってきたドングリを放置すると大変なことに。シギゾウムシ、チョッキリ、蛾が続々

秋の遠足。ドングリ拾いは楽しいですね。でも、子どもが拾ってきたドングリを室内に放置すると、虫が出てきて大惨事を招くことがよくあります。 ドングリころころ、ドングリこ♫ なんて歌いながらドングリ拾いをする子供たち(そんな子どもは今時いないかも)…

ポロポロ落ちる不思議なアカイラガの毒針

先週、フジの葉を食べているアカイラガの幼虫を見つけました。可愛い幼虫ですが、毒針を持っているので、触ってはいけません。刺されるとかなり痛いそうです(試したことはありません。どなたか勇気のある人は試してください)。 アカイラガの幼虫。毒針付き…

イヌビワの雄株の実(花嚢)の中は蜂だらけ。間違って食べたら大惨事?

どこにでもある雑木「イヌビワ」の実(雌株の花嚢)は意外においしいのです。ビワという名ですが、実際はイチジクの仲間で味もイチジク風。しかし、イヌビワの木には雄雌があり、間違えると大変なことになります。 雄株の実(実際は内側に花を咲かせる袋のよ…

台風の後は栗拾い、虫拾いのチャンス。今回の収穫は一番きれいな蛾の幼虫の有力候補、ホソバシャチホコ。

台風一過と言えば、栗拾いと虫拾いです。食い意地の張った昆虫記者は、収穫の秋に台風がやってくると、栗拾いに出かけます。芋虫なども台風で木から振り落とされて、ハイキングコースの木柵の上などで迷子になっていることが多いので、虫拾いのチャンスでも…

どうでもいいコスズメの芋虫は元気に育ち、貴重なブドウスズメは寄生蜂の餌食になるという不条理

秋の芋虫探し、ヤブガラシ編第2弾は、コスズメとブドウスズメです。コスズメは毎年腐るほど出会うので、どうでもいいと言えば、どうでもいいのですが、ブドウスズメはなぜか出会いが少ないので、大切に育てたいと思っていました。 ところが、どうでもいいや…

ヤブガラシの茂みに潜むギョロリ目玉の怪物はセスジスズメの芋虫

秋の芋虫探しの季節もそろそろ終盤。今回はヤブガラシに付く芋虫の第1弾、セスジスズメです。ヤブガラシはツツジの植え込みの上などを覆っていることが多い、どこにでもある雑草。なので、ヤブガラシにいる芋虫は、都会の公園でも簡単に見つけることができ…

桑の木でキボシカミキリの交尾と、クワカミキリの食事をじっくり観察。

桑の実って、無料で食べられる木の実の中では抜群においしいですよね。人間は桑の実を食べ、クワカミキリは桑の樹皮を食べ、キボシカミキリは桑の葉を食べる。全く無駄がないですね。桑の木は100%有効利用されるのです。利用される桑の木の方は、ちょっとか…

嫁入り前の娘とクロタマゾウムシを見つけたいなら桐の木を探せ。アオギリではだめです。

「若い桐(きり)の木が庭にある家には、嫁入り前の娘がいる」などと言われたのは、江戸時代の話のようです。きっと昔は、ナンパ目的に桐の若木のある家を探し回った男たちがいたことでしょう。 桐の木と言えばクロタマゾウムシ? 桐の材は、美しい上に軽く…

都会の園芸家の大敵ハバチは虫好きのアイドル。可愛ければ許してもらえる?

都会の園芸家の大敵と言えば、イモムシ、毛虫が真っ先に思い浮かびますね。イモムシ、毛虫と言えば、たいていの人が思い浮かべるのは、蝶や蛾の幼虫です。しかし、植物に甚大な被害を及ぼすイモムシとして忘れてならないのがハバチの幼虫です。何と、芋虫を…

今年も東京都心でカブト、クワガタ三昧。明治神宮、新宿御苑はビルの大海に浮かぶ緑の島。

たまには童心に戻ってカブト、クワガタ探し。「県境を越えてのお出かけはお控えください」という新型コロナの緊急事態宣言下、都心の新宿区、渋谷区でも、大量にカブト、クワガタが見られるって、奇跡のような幸せですよね。ビルの大海の中の、小さな緑の島…

明治神宮拝殿のナナフシ撮影で痴漢冤罪体験

明治神宮の拝殿の入り口に大きなナナフシがいました。新横綱の照ノ富士が奉納土俵入りを行う予定(コロナで延期になりました)の日だったので、見物に来たのかも。 人がたくさん通る場所なので、人物を入れた写真にした方が面白いだろうと思い、しゃがみ込ん…

ヨツスジハナカミキリの♂♀の尻をつなぐのは、赤い糸ならぬ長い長い受精嚢管?

うっとうしい梅雨が終わったと思ったら、今度は命にかかわる猛暑。それでも昆虫記者は虫撮りに励む。虫が見られるなら、熱中症になってもかまわない(嘘)、命も惜しくない(大嘘)。 というわけで(何が訳なのか不明)、今回は裏高尾から城山茶屋を目指しま…

ゴマダラオトシブミの揺らん作りで思い出す童謡「かあさんの歌」

オトシブミの仲間のかあさんの揺籃作りにはいつも感心させられますね。今回は水玉模様の装いがいじらしい、ゴマダラオトシブミのかあさんです。虫のかあさんは偉い。「かあさんが夜なべをして手袋編んでくれた~♫」。童謡「かあさんの歌を思い出します。そん…

カシノナガキクイムシ被害でコナラの巨樹全滅の危機。昆虫記者のご神木も枯死

たまにはちょっと自然科学者的な話もしないと、ただの虫バカ(実際そうですが)と思われてしまうので、今回は里山はおろか、都心の公園でも進行しているキクイムシ被害によるコナラ全滅の危機の話です。 コナラが全滅しても「痛くも痒くもない」という人も多…