拙著「昆虫記者のなるほど探訪」の第3章、第5話は、ゼフィルス。高貴なシジミチョウの印象ですが、平地で普通に見られる庶民派も多いんです。冒頭部分をちょっとだけ紹介します。
◎ゼフィルスのシーズン開幕
=高級感あふれる樹上のシジミたち=
6月だ。ゼフのシーズン開幕だ。ゼフとは樹上性のカラフルなシジミチョウの仲間「ゼフィルス」のこと。この心地よい語感。「ギリシャ神話の西風の神ゼピュロスが語源」などと聞くと、軽井沢、那須など高級リゾートの香りがする。お金持ちが高原の別荘で愛でる蝶のイメージだ。
しかし、昆虫記者をはじめとする一般庶民の虫好きにも簡単に楽しめる、リーズナブルな平地のゼフもいる。そして、それがまた高級ゼフに負けず劣らず美しいのだ……
◎取材を終えて
街中の公園にいるシジミチョウは、ヤマトシジミかせいぜいベニシジミと思っている人も多いかも。でも、初夏の一時期にだけ、見慣れないきれいなシジミチョウが現れて「あ、カメラがない」と慌てふためくことがあります。アゲハなど大きな蝶に目を奪われることなく、この時期はシジミチョウに注目です。でも湿地が好みのミドリシジミを追いかける際には、池に「ドボン」しないよう、要注意。被害者たくさん目撃しています。
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◎石垣島虫紀行その10
今回は虫からはちょっと離れて、天然記念物巡り。天然記念物の生き物たちに、普通に出会えてしまうところが、さすが石垣島。
カンムリワシは、虫探しをしていると、1日1羽ぐらいのペースで出会えます。
貴重な陸亀、セマルハコガメはバンナ公園の道路を横断しようとしていました。車にひかれる寸前に救出しました。
キシノウエトカゲは日本最大のトカゲだそうです。30~40センチになります。道端の茂みでガサゴソ、怪しい音がしたらこいつの可能性大。
、オカヤドカリは浜辺にびっしりいますが、こういう大物には滅多にお目にかかれません。悲しいかな、見つけたのは私ではなく妻でした。
これ、ぜーんぶ天然記念物です。信じられない。