虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

いくぜボルネオ虫紀行⑰=ラフレシアには蠅ばかり

insects of kinabalu park ⑧

 3月24日の午後はラフレシア観光。キナバル公園本部から40キロほど離れたポーリン温泉(ここもキナバル公園の一部です。巨大な公園です)の
周辺では、世界最大の花と言われるラフレシアが見られます。
 ここのラフレシアは、農園の庭先のようなところにあって、咲いてさえいれば、簡単に見ることができます。咲いていれば、道路沿いに看板やバナーが出ます。
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 「いらっしゃい、いらっしゃい、ラフレシアが咲いたよ」という感じ。観光、観光していて。あまり趣きはあまりありません。
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         まだ咲き始めのラフレシアです。花の左に半分かくれているボール状のものはつぼみです。

 ラフレシアは巨大な花ですが、巨大な蝶はやってきません。花の香りは、腐った肉のようだと言われ、Corpse Flower、死体花というありがたくない名前をもらっています。そんな臭いに寄ってくるのはハエばかり。ハエが受粉を助けているそうです。

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             死体花の臭いに蠅が寄ってきます

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           こちらは、咲き終わったラフレシア。枯れていく様も迫力です

 同じラフレシア観光でも、苦しいジャングルトレッキングの末にたどり着いたマレー半島ラフレシアの方が、感動的でした。マレー半島の時は、外国美女軍団に囲まれてのトレッキングだったので、一層印象が良かったです。美女軍団に会えるかどうかはともかく、半島マレーシアのラフレシアの方がお勧めです。
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           半島マレーシアのジャングルのラフレシアです

 ポーリン温泉は、標高550メートルほど。公園本部とはうって変わって、蒸し暑い低地の熱帯雨林が広がっています。暑いです。蚊もいます。公園本部周辺を散策していた時とは、服装、装備を変えた方がいいでしょう。

 フタバガキの巨木を利用したキャノピウォークでは、樹冠の景色が楽しめます。樹冠にはゼフが飛んでいました。

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           「心臓病、高所恐怖症の人は登ってはダメ」と注意書きがあります。

 ボーリン温泉は、戦時中に日本軍が開発したという温泉。でも、日本の温泉をイメージしてはいけません。情緒ある温泉街などというものは、日本にしかありません。スパリゾート。それも洗練されていないスパと思えばいいでしょう。

 それでも、地元の人々にとっては、素敵な憩いの場になっているようで、週末は大混雑になるといいます。
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 水着でドップリと湯につかっている人もいますが、足湯でトレッキングの疲れを癒す程度の人が多いようです。

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      これが源泉。硫黄の臭いがします

 蝶園もありますが、建物内の蝶はほとんどボロボロです。それよりも、施設周辺に植えられた花々に集まる蝶の方が、ずっと新鮮。キシタアゲハも飛んできます。
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            ワシントン条約で保護されているキシタアゲハ

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             シロオビモンキアゲハ

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               クロタテハモドキ

 温泉施設の入り口には、ボルネオオオカブトの♀が2匹張り付いていました。温泉で月見をしながら、虫探しなんてできたら楽しいでしょうが、営業時間は午後6時ぐらいまでのようです。残念。
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