虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

いくぜボルネオ虫紀行㉑=ロマンチックなナイトウォーク

insects of kinabalu park ⑫

 3月25日の夜のキナバル公園。昼間ガイド役をしてくれた研究施設スタッフから、「30分ほどナイトウォークをしないか」とのお誘い。これは断れない。と言うか願ったりかなったりです。
 夜のジャングルはやっぱり少し恐い。ガイドなしで歩くのは勇気がいる。でも現地を知り尽くしたガイドがいれば心強いですね。

 待ち合わせ場所に行ってみると、ツアー参加者は、私と息子のほかに、西洋人女性が一人。いつも感心するのですが、日本人と比べると西洋人には、女性のアドベンチャラーが圧倒的に多いです。それも、ごっつい格闘技選手のような人ではなくて、モデルになれそうなスマートでオシャレな冒険者たちなんです。日本もこうあってほしいですね。

 ナイトウォークと言うと、ちょっとロマンチックな響きがありますが、出会う相手はあまりロマンチックでないものが多くなります。
 たとえば、ゲジゲジとか、ムカデとか、タランチュラ系のクモとか。でもこういうのを夜の森で見つけて、ゾッとして涼しさを味わうのも、また楽しみの一つです。
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                   コンクリートの割れ目から顔を出したタランチュラ系のクモ。

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                          アシダカグモも定番ですね。

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                          夜道の常連のヤモリ。可愛いやつです。

 もちろん蛇もいます。ヒメヘビの仲間。恐らくシュミットリードスネーク。
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 とても虫には見えないサンヨウベニボタルの♀(トリロバイト)もいました。
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 そして、ナナフシ、ナナフシ、またナナフシ。昼間は擬態に徹しているナナフシも、夜は安心して歩き回っています。
 サカダチコノハナナフシ系のやつを見たのは今回が初めて。ナイトウォークでは出会う確率がかなり高いとのことです。
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      サカダチコノハ系は、夜でナイトなかなか出会えないそうです。やっぱりナイトウォークに行かないと。

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 甲虫も少し。かなり大きなコメツキムシです。
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 やたら髭の長いコガネムシ
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 金色のカメノコハムシは恐らく就寝中。
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 実は、キナバル公園には、ナイトウォークの公式のプログラムはたぶんありません。昼間に公園のレンジャーのような人に出会ったら、頼んでみるといいでしょう。今回ガイドをしてくれた研究施設スタッフも、公式のガイドではないので、「ガイド料は?」と尋ねると、気持ちだけでいいとの答えでした。なので、気持ち程度の謝礼を渡しました。
 夜の闇の中での謝礼は、まるで闇取引のようですが、別にそんな悪事ではありません。スタッフにとっては副業のバイトのようなものでしょう。

拙著「昆虫記者のなるほど探訪」でも、アジアの虫撮りの穴場をたくさん紹介してます。海外旅行の際には、是非異国の虫に注目を。グローバル化で人間界の異国情緒は乏しくなっていますが、虫の世界はまだまだ異国情緒たっぷりです。
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