昆虫文学少女、新井麻由子ちゃんのボルネオ・キナバル公園探検の最終回です。
お借りした写真をスクロールしていると、な、な、なんと、ハナカマキリが写っているではありませんか。昆虫園でも、博物館でもなくて、ボルネオの自然の中のハナカマキリです。これは、す、す、すごい。
ハナカマキリは、高貴なランの花に擬態するという、擬態昆虫の中で最も品のいい生き物。やはり品のいい虫は、エレガントな少女を好むのでしょう。虫記者も今後は、むさ苦しい格好はやめて、エレガントな虫撮りを目指したいと思います。
ハナカマキリに続いて登場したのは、ビワハゴロモ。おしゃれな虫が続きますね。1匹目のビワハゴロモは、青い鼻に、水玉模様の羽。2匹目は、真っ赤な鼻に白いレース生地のような羽。南国情緒のかたまりのような、珍虫たちです。
さらに、どでかい上に派手なカミキリムシや、手裏剣のようなトゲグモ。南国に行きたい願望をかき立てる虫たちが次から次へと登場します。
そして、苔むした倒木にカメラを向ける昆虫文学少女。こんな薄暗くジメジメした場所でいったい何を撮っているのか、気になりますね。
こんなところにいるのなら、さぞかし不気味な虫だろうと思ったら、案の定不気味なサンヨウベニボタルでした。不気味だけれど美しい。妖艶な美女といったところでしょうか。美女と言うからには、これはメスです。
ネオテニー(幼形成熟)と言って、幼い頃の三葉虫のような形を残して、サイズだけが大きくなり、羽化もせずにそのまま成虫になるのはメスだけなんですね。サンヨウベニボタルのオスは、何の変哲もない普通の甲虫の姿をしたベニボタルになります。