animals and insects of kinabatangan ⑦
名残惜しいキナバタンガンの旅もいよいよ最後。サンダカンの町への帰途、送迎のミニバスはゴマントン保存林に、ちょっとだけ寄っていくことに。
ゴマントンは中華料理の高級食材「ツバメの巣」が採れる洞窟群で有名。でも薄暗い洞窟の中は、ツバメやコウモリの糞の山にゴキブリ、ゲジ、ヤスデなんかが群れていて、見た目も臭いも、あまり気持ちのいい場所ではないようです。
「ゴマントン洞窟」で検索すると、そういう素敵なものの写真がたくさん見られますが、食事時には避けた方がいいでしょう。
そういうものは、開拓精神にあふれた西洋人観光客らに任せて、虫記者親子は別行動で虫を探します。洞窟に入ると、虫探しの時間がなくなり、入場料でお金もなくなりますから。
あちこちにマダラチョウ系の蝶。地味ですが、ゴキブリとは雲泥の差。
たぶんコルリアマダラシロチョウ。
そしてついに出会えた極上の蝶。ビロードタテハです。触ってみたくなりますね。なめらかなベルベットの手触りなのでしょうか。洞窟の中でゴキブリにまみれている人々のことを思い描きながら、天からの遣いのような、華麗な蝶を眺めます。
保存林には、オランウータンも多いようです。高い木の上で、くつろいだ様子というか、怠惰な様子で木の実を食べる大物のオランウータンです。
すぐ目の前の茂みの中には、子供のウータンの姿もありました。野生のウータン君がこんな近くで見られるなんて超ラッキーです。
カンムリワシが地上をうろうろ。あまりワシらしくない行動に見えますが、実はカンムリワシは、サーパントイーグル(ヘビ鷲)などと呼ばれていて、好物は蛇やトカゲ。
なんて言っていたら、本当にトカゲを捕まえました。
ゴマントンは、旅行者のブログなどでは、あまり評判が良くないようですが、虫記者の評価はかなり高いです。洞窟には入らずに、付近を散策するのがお勧め。でも団体ツアーで、そんな勝手な行動を取ると、ガイドさんにこっぴどく叱られることでしょう。「ゴキブリを見ると失神する」とか言い訳をして、事前にガイドさんを納得させておきましょう。
拙著「昆虫記者のなるほど探訪」でも、アジアの虫撮りの穴場をたくさん紹介してます。海外旅行の際には、是非異国の虫に注目を。グローバル化で人間界の異国情緒は乏しくなっていますが、虫の世界はまだまだ異国情緒たっぷりです。