虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

祝春分、皇居に昆虫界のオバQ

 皇居、二の丸庭園の雑木林で、頭のてっぺんに毛が3本のオバケのQ太郎に出会いました。オバQの正体、知ってる人は知ってますよね。
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 ヒナカマキリの卵鞘を撮影していて、ふと気づくと、周囲の樹皮の割れ目に、クヌギカメムシ若齢幼虫が、びっしりと張り付いているではありませんか。
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 既に大半が3齢でしょうか。
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 クヌギカメムシの卵はゼリーのようなものに包まれていて、孵化した幼虫は、このゼリーだけを食べて3齢まで育つのだそうです。春になって植物の汁が吸えるようになるまで、ちゃんとベビーフードを用意しておくとは、クヌギカメムシのお母さんは偉い。

 既にゼリーは食べ尽くしたようで、クヌギカメムシの幼虫たちの隣には、空っぽになった卵だけがたくさん並んでいました。卵からは、優曇華の花のような3本の毛が飛び出しています。これは「受精孔突起」などと呼ばれ、ゼリーの中の卵が呼吸するための通気口のようなものらしいです。
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 これを拡大すると最初の写真になります。オバQと言っても、若い人には分かりませんね。