虫撮る人々のための春のツツジ祭り第1弾は、ツツジ昆虫トラップとツツジトゲムネサルゾウムシです。
ツツジの蕾を触って、あのベトベトに驚いた人も多いでしょう。なぜベトベトなのか。ハバチ、ゾウムシ、アブラムシとか、邪魔な虫に対する防御という面もあるようです。実際、ツツジの蕾には、色々な昆虫が張り付いたまま絶命しており、ツツジ・昆虫トラップと呼んでもいいような状況です。
しかし、そんなツツジ・トラップをものともせず、ベトベトの蕾を食害し、あまつさえ蕾の中に卵まで産んでしまうという小さな昆虫がいます。その名はツツジ・トゲムネサルゾウムシ。
ツツジの蕾が膨らみ始めた今頃、長大なツツジの生垣がある公園があれば、その姿をあちこちで見かけることができます。
一方、ツツジ・トラップの成果を見学するのも楽しいものです。ツツジの花見もいいですが、花が満開になる前の蕾を見て回るのも、虫好きにとっては趣ある憩いの一時です。
これはニンフジョウカイの仲間。
まるで、展足板に張り付けられた標本のように、美しい姿勢で、ツツジの蕾に張り付いて絶命しています。
モモブトカミキリモドキもいました。何となく、こんなみっともない状態では、死んでも死にきれないという無念の表情にも見えます。
ゴキブリホイホイにつかまったゴキブリのようです。
蜂、ハバチの仲間も色々と捕まっています。
そんなハエ取り紙のようなツツジの蕾の上を、平気で歩き回っているのが、ツツジトゲムネサルゾウムシ。
口を突っ込んで、食事中。食痕か産卵痕がたくさん見えます。
トゲムネなのに、どこにもトゲなんてないじゃないか、と文句を言う人もいるでしょう。丸いだけのゾウムシに見えますね。でもちゃんと、トゲはここにあります。胸の中央、小楯板のようにも見えますが、よく見ると、胸部から上翅中央に向かって鋭いトゲが出ています。
皇居周辺のツツジでは、カップルが交尾中でした。微笑ましい光景です。