虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

昆虫記者の原点・コーカサスオオカブト雌の凶器

 フレーザースヒルに到着した時には夜の9時を回っていました。8時には着ける計算だったのに、空港のパスポートコントロールで1時間無駄にしたのが痛かった。「マレーシアに働きに来た」感のある人が多い列に並んではいけません。そういう人は、チェックに5分とか10分とか、かかる場合があります。列が多少長くても、観光客風ばかりの列にならびましょう。今回の失敗から学びました。

 ホテルにチェックインしたら、すぐに虫探しに出かけます。そうでなければ、せっかく闇夜を選んでこの日にフレーザー入りした意味がありません。

 残念ながら、この夜に見つけたコーカサスオオカブトは雌ばかり3匹。
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 でも女だからと言ってなめてはいけません。コーカサスオオカブトは、雄より雌の方が恐いんです。

 恐ろしいのは、この丸い背中の胸部と腹部の間の隙間。恐らく小楯板と前胸背板の重なる部分が鋭い歯のようになっていて、ここが爪切りのような凶器の役割を果たします。
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 分かりやすくするために、その爪切りの部分に、ボール紙を挟んでみました。
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 今回の雌は、それほど執拗な攻撃はしてきませんでしたが、初めて雌の攻撃を受けた時は、裂けた指の皮を何分間も放してくれず、鮮血がほとばしり、死ぬような思いをしました。皆さんもお気を付け下さい。

 などと言いながら、今回も一瞬の隙を突かれて、親指の皮を挟まれてしまいました。それほど重傷ではなく、血がにじむ程度です。
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 勉強になりますね。他山の石として下さい。