今年は墨田区の錦糸町でもクマゼミが鳴いてました。東京のクマゼミの勢力は年々拡大しているようです。
クマゼミの鳴くのは朝方。葛西臨海公園では、午前10時ぐらいまでは他のセミの声が全く聞こえないほど、クマゼミが「シャッシャッシャッシャ」と鳴き誇っています。
緑の翅脈が美しいセミですが、東京にいると侵略者の威圧感を感じてしまいます。
1匹つかまえてみました。オレンジ色の腹弁は♂の特徴ですね。これで音色を調整するのだそうです。
これまでは、午前中はミンミンゼミ、午後はアブラゼミの大合唱というのが、東京の夏でした。しかし、葛西では午前中ミンミンの声はほとんど聞こえませんでした。いないのかと思って探してみると、いるんです。それも、クマゼミよずっとたくさん。
でもクマゼミに圧倒されて、鳴きだす勇気がないようです。
そして、クマゼミが鳴きやんだ午後は、アブラゼミの出番。数の上では東京ではまだまだ圧倒的優位に立っているアブラですから、午前のクマゼミをはるかに上回る音量で、すべての森の木が一斉にうなりだしたような状態になります。
つまり何が言いたいかというと、それはミンミンの出番がほとんどないということです。
セミの鳴きまね芸と言えば、ミンミンかツクツクボウシが定番ですが、そのうち、東京の湾岸地帯ではミンミンは、希少なセミになってしまうかもしれません。ミンミンの鳴きまねなんかしても「何それ」と言われてしまうかも。
東京の夏の効果音に、ミンミンの「ミーンミンミン」ではなく、クマゼミの「シャッシャッシャッシャ」が使われる日も遠くないようです。