虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

昆虫記者の原点・部屋のベランダにオウゴンオニクワガタ。ホンマでっか

 ホテルを選ぶなら、☆の数やサービスや便利さなんかは二の次です。豊かな自然、うっそうとした森に囲まれているかどうかが重要です。

 でもなかなか、虫好きが理想とするそういったホテルはないものです。フレーザーズヒルには以前はそういうホテルが幾つかありました。しかし、あるものは閉鎖され、あるものはリゾートマンションに変わり、現在は「虫記者のイチオシ」的なホテルはありません。
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 森の中にそびえる白亜の城みたいな、こんなホテルが理想ですね。闇夜にはカブトやクワガタが、バッチン、バッチンと壁にぶち当たる音が心地よく耳に響くに違いありません。でも、ここも現在は通常ルートでは宿泊予約ができません。マレーシアに知り合いがいれば、貸別荘のような形で利用できるとのことですが、お値段も高くて、大家族向けです。

 今回泊まったシャーザンインは、安くてまあまあの環境といったところです。なので、部屋のベランダに飛んでくる虫には、ほとんど期待していなかったのですが、一応小さな蛍光灯を一つ、ベランダに点灯しておきました。

 期待値があまりに低いので、蛍光灯のことはすっかり忘れて熟睡していたら、真夜中に火災警報器の大音響。びっくりしますよね。虫撮りの最中に死ぬなら本望と言いたいところですが、まだ見ぬ珍品の虫に未練もあります。
 とりあえず廊下に出てみましたが火の気配はなし。しばらくして警報は鳴りやみました。そうなると気になるのは、ベランダです。

 ベランダに出てみると、羽蟻や蛾がかなりの数来ています。そして、それら若干汚らしい虫たちの間に、一匹だけキラキラと黄金色に輝く甲虫が。
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 「ま、ま、まさか」の展開です。なんとオウゴンオニクワガタではありませんか。残念ながら♀ですが、それでも憧れのオウゴンオニです。
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 裏返してみても、やっぱり黄金色です。

 参考までにお見せすると、
オウゴンオニクワガタの♂はこんなです。12年にキャメロンハイランドを訪れた時に、原住民オランアスリに見せてもらったものです。こんなのが部屋に飛んで来たらすごいことですが、絶対に「ホンマでっか―」と言われますね。
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 今回灯火に来たクワガタは、残念ながら全部♀でした。
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 昼間の陽の光で、黄金色を再確認してうっとりする虫記者でありました。
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