昆虫文学少女の新井麻由子ちゃんの今回のマレー半島旅の課題は、難易度が高いです。ジャングルの樹上に潜む擬態の天才コノハムシを、自力で見つけ出すというものなのです。老眼、乱視の虫記者には絶対不可能な課題ですね。
緑濃いジャングル。まず現れたのは、前座のキリギリスたち。前座にしてはなかかなのしゃれ者ですね。羽の模様は、まるでサヤエンドウ。豆畑に潜り込んでいれば、擬態になりそうです。
こんなゴツイ姿のキリギリスもいます。
これはヒラタツユムシの仲間の幼虫です。成虫は薄っぺらくなって、ペッタリと葉に張り付いて気配を消す擬態派の代表格ですね。幼虫がこんなに芸術的なデザインとは知りませんでした。
ナナフシもデカいやつがいます。
今年から高校生になり、探検家、研究者の風格も出てきた麻由子ちゃんが、ジャングルに突入していきます。
ガイド役のオランアスリたちにとっては、コノハムシの擬態技もあまり効果がないようで、
こんなのや
こんなのを次々に捕まえてきます。
◆ついに暴かれたコノハムシの擬態
そして、コノハムシの存在確率100%という、秘密の樹林に到着。目を皿のようにして、木々の葉裏を肉眼でスキャンしていきます。
「この木には絶対いるはず」という御神木を前にして、濃密な時間が流れます。同行のガイドには「ここでは見つけても、絶対に教えないで」ときつく申し渡してあります。自力でコノハムシの擬態を暴くのが今回の目標なのです。
そしてついに、その時はやってきました。頭上数メートルの枝に何やら怪しい虫影。「あっ、いた!」と麻由子ちゃん。お母さんはまだ、その存在を確認できません。この写真でも、まだ分からないですね。
長い竿で、さし示して、やっとお母さんも納得です。
ちょっと目を離したら、2度と見つからなくなってしまいそう。熱帯の擬態虫探しでは、虫見に特化した超人的な視力が必要なのです。