虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

砧公園のエノキの主はヤツボシハムシ

 東京・世田谷区の砧公園のエノキと言えば、虫記者的にはヤツボシハムシです。ともかく多い。別にエノキを探さなくても、シーズンには柵の上とか、道端とか、至るところで見かけます。
 エノキに付くハムシと言えば、普通はエノキハムシですよね。これはどんな小さな公園にもいて、エノキの葉をボロボロにしています。でもここ砧公園は圧倒的にヤツボシハムシの縄張りです。ほかの都区内の公園ではめったに見かけないハムシですから、不思議です。

 まずはテントウムシ風に、黒い星を八つ背中に配置した典型的なヤツボシ。
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 典型的と言いながら、実はそれほど典型的でないのが困りもの。このハムシは模様の変化が激しくて、真っ黒から、真っ黄色まで、色々な型を取り揃えていて、慣れない人には何ハムシだか見当も付かない厄介者です。

 初心者は砧公園に行って、たくさんの型を見て、目を慣らすのがいいでしょう。なーんて、そんな暇人はどこにもいないですね。

 最悪なのはこの真っ黒なやつ。エノキにいなかったら、何者かわかりません。ゴミ虫とかゴキブリとかと間違えられても、言い訳できませんね。
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 これは胸部が若干黄色。
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 上翅の前半分が黒く塗りつぶされたのもいます。
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 黒いのには騙されないぞ、と思ったら、ほぼ黄色というのもいます。こいつは上翅の前部に黒い紋が若干残っていましたが、後ろから見たらウリハムシとか、ズグロキハムシとかと区別が付きにくいですね。全身真っ黄色というのもいるらしいので、要注意です。
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 絵柄的には、典型的な八つの星が、若干変形したようなのが、一番芸術的で、しかもこの公園では、一番出会う確率が高いようです。
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 砧公園をご訪問の際には、世田谷美術館のついでに、芸術的な模様のヤツボシハムシを探してみてはいかがでしょうか。ちなみに、世田谷美術館では、7月2日まで、「はらぺこあおむし」など虫の絵本で有名なエリック・カールさんの展覧会をやっているようです。虫三昧の週末が過ごせそうですね。