そうそう、この食痕です。こんな派手なのがあれば、周囲数メートルの範囲にかなりの数のクロトゲハムシがいるはずです。
5月8日練馬区
筋状の食痕を残しながら、ススキの葉を食べ進んでいます。
5月下旬二子玉川周辺
平和な交尾。河川敷の、のんびりした雰囲気が伝わってきますね。
人口過密だと、魅力的な♀をめぐる♂同士の争いが発生します。
食痕の近くには、こんな卵が産みつけられていることも。
ごみのようでもあり、本当にクロトゲハムシの卵なのか、疑いの余地もあります。
そこで、観察を続けることに。
数日後には、潜葉性の幼虫が薄い葉の中身を食べ進んでいるのが確認できました。
しかし、この幼虫らしき影も、単なる汚れなのではないか、という疑念がないでもありません。
そこで、一つだけ坑道を切り取って、中身を出してみました。やっぱりトゲトゲ系の幼虫のようです。
クロトゲハムシとよく似た仲間で、同じくススキを常食とするクロルリトゲハムシというのがいますが、クロルリは鞘翅の周囲、鞘翅の上のトゲがずっと大きく、まさにトゲトゲのハムシです。しかも、クロルリは山地に多いので、多摩川や荒川にいるのは、まずクロトゲハムシと思って間違いないでしょう。
これがクロルリトゲハムシです。トゲが長いですね。触ると痛いです。
7月上旬箱根
町中の公園のススキ原で探すのは、エビイロカメムシ。三角頭の成虫も、悪くはないですが、色彩的には今一つで、エビ色の看板にふさわしいとは言い難いですね。
やはり、エビイロは幼虫。それも小さければ、小さいほど、エビ煎餅に似て、食べてしまいたくなるほどかわいいです。
7月中旬江東区
6月末横浜市
ススキ原には変顔で有名なアカハネナガウンカもいます。小さなウンカですから、本来注目を浴びるような存在ではありませんが、この変顔に注目した人は偉いです。よくもまあ、こんなどうでもいい虫の魅力に気付いたものです。感心します。もちろん、腕が良くないと、虫記者の写真のように、ただの地味なウンカになってしまします。
蝶の幼虫もセセリを中心に、色々なのがススキにいるようですが、この分野は虫記者としては、今後の課題です。
夏型なので全然美しくないギンイチモンジセセリです。これも幼虫はススキにいるらしいです。