虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

秋の特選虫旅in鎌倉2=カメムシの秋

 鎌倉の大仏ハイキングコースを中心に秋の虫旅。などと言っても、全くハイキングらしさはなくて、虫虫虫です。こんな旅に「是非行きたい」なんて人、いないかなー、いないですよね。

 特に秋が深まってくると、ハイキングコースを彩る蝶は減ってきて、代わりに主役に躍り出るのは、カメムシとか、芋虫とか、ハイキングの邪魔者、余計者、嫌われ者ですから。

 そんなわけで、秋の虫旅では避けて通れないカメムシたちです。

 真冬でも歩き回っているのをよく見かけるウシカメムシ。寒さに強そうな体形ですね。
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 マユミの木の常連キバラヘリカメムシ
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 真冬にはマサキで見かけます。マサキの方がガッシリしていて、越冬場所としては頼りになりそう。マユミもマサキもニシキギ科。だから、ニシキギにもキバラヘリカメがいます。そういえば、どれも実の色形がよく似ています。ピンクの実が割れて、中からオレンジ色の種が顔を覗かせる様子が共通しています。虫捕りは植物の勉強になりますね。

 植物好きの皆さん、是非虫旅にも参加しましょう。なんて、呼びかけても反応がないのはなぜでしょうか。虫好きの孤独を感じます。

 ハートマークで娘心をくすぐるエサキモンキツノカメムシも、落ち葉の中などで、越冬中の成虫をよく見かけますね。
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 ヨコヅナサシガメの集団は脱皮の最中でした。黒い幼虫集団が団子状になって越冬する姿は不気味ですが、脱皮直後の幼虫の鮮やかな赤色は、紅葉の美しさに勝るとも劣らない、なんて誰も同意しません。
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 アカスジキンカメムシは終齢幼虫で越冬します。キブシの実は好物の一つです。
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 夏の名残の蝶も蝶も少しだけ。関東では秋になると、死滅拡散の最後を飾るウラナミシジミの姿が見られますね。
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 南方系の蝶だったはずのツマグロヒョウモンも、晩秋まで結構生き延びていて、最後の力を振り絞って冬の花壇を飾るパンジーなんかに産卵するのでしょう。
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 名残の蝶を見て、秋の寂しさを感じるのも、虫旅ならではですね。誰か賛同してほしい。