11月も下旬となると、蝶も減ってきます。そんな寂しい季節が見頃の蝶と言えば、ムラサキシジミ、ムラサキツバメですね。
マテバシイとツバキがたくさんある公園の小春日和の日だまりは、ムラシ、ムラツにとって、絶好の集合場所になります。本日は、そんな条件のそろった葛西臨海公園へ。
ほうら、いました。マテバシイの分厚い葉っぱの上。
まずは、ムラサキシジミの♂のようです。
マテバシイは幼虫の食樹で、成虫の越冬場所にもなります。
そしてツバキは、花が晩秋から初冬にかけて成虫の吸蜜場になり、葉が越冬場所にもなります。
ボロボロで微妙ですが、たぶんムラサキツバメの♀でしょう。
羽を開いているのはムラサキシジミ、上と下のツバキの花に顔を突っ込んでいるのはムラサキツバメです。ツバメには♂♀ともに、本来は燕尾服の燕尾(尾状突起)がありますね。ボロになると、しっぽが取れて区別が難しくなります。
赤いツバキと青い蝶の組み合わせは、この季節でないと見られません。まさに、晩秋が見頃というわけですね。
ツバキの蜜に吸い寄せられるムラサキツバメです。
「こんな小春日和の穏やかな日は♪」と山口百恵さんの秋桜を口ずさみながら、日だまりでツバキの花にやってくるムラシ、ムラツを眺めるなんて、最高の週末ですね。
ところで、羽を開くと、青紫に輝くムラシ、ムラツの中にあって、唯一、どこがムラサキなの?と疑問を抱かせる地味な色合いなのが、ムラサキツバメの♂ですね。
たいていは、こんな、さびた十円玉のような色に見えます。
まるで蛾のような姿。こんなんで、♀を引き付けられるのか心配になるほどの地味さです。
でも、そんなムラツの♂でも、光の当たる角度によって、一瞬、光輝く時があるのです。
ちょっとその気配が出てきました。
そしてもう少し羽を立てた時。「ウオー!」と歓声が上がります。
この一瞬の輝きに♀は引き付けられるのかもしれませんね。