12月の寒空の下、忍法隠れ身の術の修行に励むキノカワガを激励に行くことにしました。実は数時間前にこの記事を送信したつもりだったのですが、買い物から帰ってきてブログを開くとアップされていません。「な、な、なんと、記事まで、隠れ身の術で消されてしまったのか」。キノカワガ恐るべし。
なんて馬鹿なことを言っていないで、気を取り直して、もう一度記事を書くことにします。疲労感絶頂ですね。
木の皮に成りすまして越冬するキノカワガを探すのは、老眼が進む身にとっては、もともとかなり疲れるものです。毎冬必ずどこかでばったりと出会うのですが、探すと見つからないのがキノカワガ。必死で探し回って、見つからないと、人生投げ出したくなりますね。きっといるに違いないのに、見つからない。「そんなに擬態が好きなら、そのまま一生木の皮のままでいたらいいだろ」、と捨て台詞も吐きたくなります。
と言うことで、今回はキノカワガ探しで高い実績を誇る千葉県市川市の公園へ。以前ここへ来たときは、ろくに探しもしないのに、3匹も見つけてしまったという、栄光の歴史がありますから、今回も楽勝でしょう。
ところが、事はそううまくは運びません。雑木林に囲まれた小道で、樹皮を解剖学的ち密さで探索していきますが、見つかりません。いつの間にか小道は出口にさしかかっています。しかし、そこで、何やら忍びの者らしき気配が。
そう言えば、前回もこの場所で最初のキノカワガの正体を暴いたような気がします。
すると、やはりいました。虫記者には特別な虫感知能力が備わっているのです。生まれつき、何か運命的なものを「持っている」のです。
なーんて、ことは全然ないです。もし持ってたら、もっと金持ちとか、有名人とかになってますよね。実は、キノカワガにも越冬の際の好みの木、好みの条件とかがあるのです。だから、毎年同じようなところにいるわけです。
秘密を明かせば(実は全然秘密じゃないです。前回の記事で書いてました)この公園のキノカワガがいるのは、なぜかシデの木なのです。ほかの場所で見つけたキノカワガは、クヌギやケヤキにいましたが、ここでは、ほぼ100%(5回中、5回ですから100%ですが、統計的にはサンプル数が十分ではないです)シデの木にいました。
前出の写真では、よく分からないという、虫記者以上に老眼の方のために、拡大してみましょう。
前から見ると、蛾らしい顔が出現します。
一番分かりにくいのは、横から見た場合です。
近づいてみても何が何やら。
同じ公園のいつもの小道とは違う場所で、もう一匹見つけました。やっぱりシデの木です。
前の写真で、万が一、どこにいるか分からないという方のため、拡大して、コントラストを強めてみました。
これでも、何が何だか、分からないなんて、虫記者に文句を付けても意味がありません。文句を言うなら、キノカワガに言ってやって下さい。
あー、疲れた。この記事がまた、隠れ身の術で消えてしまわないことを願うばかりです。