タイのカオヤイ国立公園のコメツキ編その2です。前回のは美麗ながらも普通サイズでしたが、今回のはかなりの大物です。
虫だらけの宿、カオヤイ・アイヤラ・リゾートに飛んできたのは、オオアオコメツキ。かなりデッカイです。日本最大のコメツキ、フタモンウバタマコメツキなんて、まるで赤ん坊です。
しかも緑色の金属光沢があって、タマムシもびっくりの南国風。でもタマムシじゃないので、裏返しにすると、やっぱりパチンとクリックして、跳び上がります。
オオアオコメツキは2匹飛んできました。「いやー、でっかいなー、さすが熱帯」なんて感心していたら、宿のフロントなどを担当する虫好き女性従業員のムンミンさんが、「こんなの大したことない」という顔をして、スマホで撮ったさらに巨大なコメツキの写真を見せてくれました。
「こ、こ、これはどう見てもコメツキじゃないだろう」と動揺するくらいでかいです。どこにいるのか問いただすと、庭に出て「きっと今夜、この木に来る」と、呪術師のような謎の予言をするではありませんか。虫好き女性スタッフがいることだけでも驚きですが、何と、虫の出現を預言したのです。
半信半疑で夜にその木の前で待っていると、ムンミンさんもやって来ました。すると、ブオ-ン。まるでクワガタかカブトのような羽音を立てて、巨大コメツキが飛んできたではありませんか。
枝にしがみついたところを、棒で叩き落して、キャッチ。前日ネットで調べたところ、その名は、ミナミオオヒゲコメツキ。体長7センチ前後で東南アジア最大のコメツキなのでした。
しかし、聞くところによれば、このコメツキは傷害の前科を持つ、かなり危ない虫なのです。胸部の下方の両端にある鋭いトゲのようなものが武器で、バチンとやる米つき動作を攻撃にも使うのです。うかつに側面を掴むと、このトゲと鞘翅の間に肉を挟まれ、穴あけパンチのように、パチンと皮膚に穴を開けられて、血がほとばしるとのことです。みなさんも、ミナミオオヒゲコメツキを捕まえたら注意してください。人畜無害な顔をして、意外な攻撃を仕掛けてくるんです。
オオアオコメツキと大きさを比べてみました。ミナミオオヒゲコメツキの前では、オオアオコメツキでさえ、まるで子供です。ちなみに、このような持ち方は危険ですね。オオアオコメツキの胸部のトゲもかなり鋭そうなので、こちらも注意した方がいいでしょう。
一方、コメツキに圧倒されて、タマムシの方は全くの不作でした。
こんな地味で小さいのを一匹見つけただけです。コメツキを誉めそやして、タマムシを見下した報いですね。