一気に春、と言うか、夏になってしまったような感じですね。東京都心には自然がないとか言いますが、いい感じ(虫がいそうな感じ)の公園も結構存在していて、春になれば、色々と生き物が出現してきます。花が咲き乱れ、若葉が茂ると同時に虫も続々と出現。まだ蚊があまりいないこの時期は、虫を眺めて春を感じるのがいいですね。
まずは近所ということで、木場公園へ。まだ桜の花が残っている4月初めで、虫の出足は今一つという時期でしたが、だからこそ、貴重な虫の出現に心が安らぐ時でもあります。
ギシギシの生える道端には必ずベニシジミの姿が。
木場公園は、葛西橋通りを挟んで大きな2区画に分かれていて、その間を巨大な歩道橋、木場公園大橋が結んでいます。吊り橋風の支柱の間に、スカイツリーが姿を覗かせる景観が見どころの一つ。
桜に囲まれたバーベキュー場や、芝生広場、遊具広場もそろっていて、きれいなトイレもたくさんあるので、週末は家族連れで大賑わいです。
桜の季節は、ちょっと混みすぎ。桜が終われば、通常モードに戻ります。
この公園での一番の昆虫観察ポイントは木場ミドリアムの裏側の小さな植物園。初夏になると、色々な成長ステージの各種カメムシがわんさと現れて、観察者を飽きさせません。
ミドリアム裏の植物園の小さな池は、ザリガニ釣りの子供たちでにぎわっています。ザリガニの数より子供の数の方が多いかも。
カラスノエンドウの新芽にはアルファルファタコゾムシの幼虫。
ミツボシツチカメムシもお目覚め。
バラの大敵、クロケシツブゾウムシ(バラゾウムシ)。
植物園の周りを囲む生垣のベニカナメモチ(レッドロビン)の赤い若葉は、春先が一番きれいです。初夏にはこの生垣に可憐なルリカミキリの姿が見られます。
虫撮りの収穫があまりなかったので、桜並木の運河を眺めながら、猿江恩賜公園に移動します。
猿江恩賜公園も花見の季節はかなりの人出になります。
チューリップ畑もあります。
花を楽しむには新大橋通りの北側の区画がいいですが、虫は南側の多目的ホール「ティアラ江東」の裏、池の周辺の方が多いです。
ティアラ江東は立派な施設です。ベンチャーズのステージも予定されているようです。
これが南側の風景。人工の滝を水源とした二つの池が安らぎの空間を演出しています。
池の周囲には、ハンノキが多く生えていて、当然ハンノキハムシの巣窟になっています。黒くて、おぞましい姿の幼虫も、もうじきドッと出現することでしょう。
「オオッ」。ハンノキの下のアジサイの葉の上に、ちょっと心ときめく虫がいました。ウシカメムシです。ここはいつも幸運が転がっている場所で、アカスジキンカメムシも時々見かけます。
こういう頼もしい姿の虫が近所にもいてくれると、都心の虫応援団としては、心強いです。
ヒイラギモクセイの新芽は、既にテントウノミハムシの仲間に食い荒らされていました。潜葉性の幼虫が出てくる季節が楽しみ、なんて言うと、公園を管理する人たちに怒られそうです。
ガマズミやサンゴジュの葉裏には、サンゴジュハムシの幼虫がびっしり。
ハマヒサカキの葉は、ホタルガの幼虫の食痕で、宝石のように輝いていました。なんて言うと、また公園管理の人に怒られますね。
宝石のような食痕の製作者はこの方です。