虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

東京都心・夏の公園虫散歩(原宿のカブト、ノコギリクワガタ)

東京都心、真夏の公園虫散歩(原宿のカブト、ノコギリクワガタ
 原宿と言えば、若者のファッション、文化の流行の最先端をいく街ですね。竹下通りなんて、若者でごった返していて中高年虫記者はとても歩けません。
 でも、真夏にはどうしても原宿に行かねばならないのです。東京都心、それも渋谷区、原宿周辺でないと、なかなかお目にかかれないビッグな虫たちがいるからです。
 男の子にとって、ビッグな虫と言えば、カブトムシ、クワガタムシですね。東京都心で、自然のままのカブトムシや、ノコギリクワガタが比較的容易に、高い確率で見られる場所がここ、原宿周辺なのです。
 昔は夜の原宿駅に、いろいろな虫が飛んできたものです。今はどうなのでしょう。

 原宿周辺と言えば、こんなところや、
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 こんなところに大きな森がありますね。
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 調査に出かけたのは、7月下旬の早朝。車を廃車にした現在、都心に住む虫記者が電車で出かけて、早朝にカブトやノコギリクワガタに出会える場所は、極めて限られているのです。もし、ここ原宿で出会えなければ、今年はもうその姿を目にすることはないかもしれないのです。

 そして…。ついに発見です。カシの木の樹液に立派なカブトムシの♂。胸部に小さな穴が開いているのは、別のカブトやクワガタと勇敢に戦った証拠でしょう。
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 カブトムシの♀は、クヌギの木にいました。
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 まあ、カブトムシは、腐葉土があれば繁殖するので、結構都心でもあちこちにいます。皇居周辺とか、新宿御苑とか、葛西臨海公園とか、水元公園とかでも時々見つかりますね。
 でも、クワガタ、それも大型のノコギリクワガタとなると、大木の朽木があるような、かなり深い森がないと、生きていけません。
 そのノコギリクワガタも…。いました。
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 それも、愛する♀をライバルに奪われないよう腹の下に抱え込み、大きな牙(大顎)を振りかざしている、嫉妬深い♂です。この♂♀カップルの愛と戦いの姿勢こそ、まさにノコギリクワガタの見せ場ですね。

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 もう1匹、ノコギリクワガタの♂の単独さんを見つけました。早く素敵な♀とめぐりあえるといいですね。
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 樹液にはコクワガタの♀や、アオオサムシキマワリなどの姿も。
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 朝のセミの大合唱はほとんどがクマゼミでした。時代は変わったものです。10年前には、原宿でクマゼミの声を聞くことなど、ほとんどなかったはずです。温暖化は確実に進行しているようです。
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 ニイニイゼミは、昼になってクマゼミが鳴きやむのを待っているのかもしれません。
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 クモの巣に絡めとられたニイニイゼミ
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 アブラゼミクマゼミがうるさい朝方は、おとなくしています。
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 そして、セミたちにとって大敵のカラス。怖いですね。
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 エゴノキの実をかじるのは、変顔のエゴ(ウシヅラ)ヒゲナガゾウムシ
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 そうなのです。原宿は若者だけの街ではないのです。虫の街であり、虫好きのための街でもあるのです。