虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

東京都心・夏の公園虫散歩(水元公園続き)

◎東京都心・夏の公園虫散歩(水元公園続き)
 最近東京都心の公園では、ゴマダラチョウの姿を見ることが、ほとんどなくなりました。それと反比例するかのように、激増しているのが比較的新参の外来種であるアカボシゴマダラですね。

 まずは春に見たアカボシゴマダラの春型です。次々と産卵して、勢力拡大を図っていました。
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 そして間もなく、アカボシゴマダラの夏型が登場。また次々と産卵していきます。
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 十匹以上アカボシゴマダラに遭遇した後、ようやく一匹だけ、純国産、在来種のゴマダラチョウを見つけました。ゴマダラチョウを探すのにこんなに苦労するなんて、たいへんな時代になりました。
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 小さな幼虫がいました。これも十中八九アカボシでしょう。
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 クヌギの樹液に集まるアカボシゴマダラです。
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 中央をスズメバチに占拠されて、脇から恐る恐る黄色い口吻を突き出しています。この樹液酒場でも、在来種のゴマダラチョウを見かけることはありませんでした。
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 水元公園コムラサキも多いのですが、アカボシゴマダラに追い散らされて、なかなか樹液にありつくことができません。
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 アカボシゴマダラ、ゴマダラチョウと同じくエノキを食樹とするテングチョウの幼虫もいました。
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 テングチョウは夏は夏眠するらしく、真夏に都心で成虫を見かけることはめったにないですね。秋に目覚めて冬はまた眠って、春先にボロボロのやつが、頑張って産卵します。
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 テングチョウの蛹はこんなです。

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 成虫の尖った鼻を見ると、テングのいわれが分かりますね。

 あとは、どこにでもいるけど、あまり気付くことのない、変な連中。

 まずはイノコヅチカメノコハムシの幼虫。この見事な造形にはピカソやダリもかなわないかもしれません。
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 成虫は地味でありふれたカメノコハムシです。イノコヅチの葉にたくさんいますね。
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 ヨモギでも同じく地味なカメノコハムシを見つけました。ヒメジンガサハムシ(別名ヨモギカメノコハムシ)というそうです。
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 この暑さの中で、暑苦しい白いミンクの毛皮のコートを羽織っているのは、クサカゲロウの仲間の幼虫です。白い毛皮は、たぶん獲物にしたアオバハゴロモの幼虫とかからはぎ取ったものでしょう。
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 ミズヒキの茎には、ハゴロモ系の幼虫が華やかさを添えています。めでたい祝儀袋の水引のようですね。
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 そして、木の枝擬態のナナフシ(ナナフシモドキ)。人々はその存在に全く気付かず通り過ぎていきます。
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 アリグモも、アリと思って見過ごしてしまいがちですが、大写しにした時の迫力はクワガタにも負けません。
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 ヒョウタンみたいな隠れ家を背負って歩いているのは、ツヅミミノムシ(マダラマルハヒロズコガの幼虫)です。

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