母もボルネオハイランドの山道に慣れて来て、この日は山を下りてAnnah Rais hotspring へ♪
ハイランドのゲートを出てそう遠くありません。
綺麗な川沿いを走ります。
車中から2度アカエリトリバネアゲハを確認!
期待が膨らみます♪
でもここの受付のおじさん曰く、
「虫は一匹もいない!」
「蝶々もいないの?」(私)
「蝶々はいる」(おじさん)
「いるんだ」(私)
「イモムシは?」(私)
「いない!」(おじさん)
「トンボは?」(私)
「あー、トンボならいるかもしれない。蝶々とトンボ以外の虫はいないから安心して楽しんで来なさい」(おじさん)
おじさんには「虫に会いたくて日本から来ました」とは言えなかった。言うタイミングを完全に逃してしまった。
いかにも虫が多そうな高温多湿の体感温度。ハイランドから下りてくるだけで日差しも気温も全く違いました。
温泉がある川に向かう道の両側に誰かの食痕がおびただしくついた樹々が並んでいる。もしかしたらディラタタなどもいたりしない?そんな雰囲気です。
大型のいろいろな蝶も優雅に飛び回り…
足元には無数のハンミョウがせかせか歩き回っています。
(昆虫記者の余計な解説=本当なら、ここに美しいヤツボシハンミョウの集団の写真が入るはずだったのですが、どうやら麻由子ママが、何やらやらかしたようで、写真を消去してしまったらしいです。そのせいで新井家で、どんな血生臭い争いが起きているかは、知る由もありません)
石で丸く囲ってあるところが温泉です。
川底からポコポコとお湯が湧き出ています。源泉を足で塞いで見るとうっかりやけどしそうな温度です。
お湯は適温!歩き疲れた脚が癒されます♪極楽です♪
おじさんの予告通り、温泉のふちには赤とんぼがとまっています。あのおじさんは正しかったのです!
このいかにも虫が多そうな環境の中、実際に見ることができたのは蝶とトンボとハンミョウだけだったのでした!
蝶とトンボの他にハンミョウもいたことは、おじさんには黙っておきました。
帰りにオランアスリの村に立ち寄り、搾りたてのサトウキビジュースをいただきました。
おばさんがこの装置を使ってサトウキビジュースを絞ってくれます。
ビジュアルが少々微妙だったため、ちょっとためらいましたが、隣でおばさんがにこにこと見ていて笑、覚悟を決めて一口…
氷の中でキンキンに冷やしてくれていたこともあり、全く恐れる味ではなく、
「おいしい!」と言うと、おばさんはさらににこにこ ^ ^
私もなんだか嬉しくなってにこにこ ^ ^
帰り道、唯一のカフェで遅めのお昼です。
Sarawak Laksa
お店によって味が全然違うのですが、こちらのLaksaもとてもおいしかったです。
◇世界最長級、巨大ナナフシついに登場
(昆虫記者です。邪魔だと言われても、顔を出さずにはいられません。みなさん、心の準備はいいですか。なんと、なんと、世界最長級、60センチクラスのナナフシ、ついに登場します。みなさん、息を止めて、かたずをのんで、ご覧ください。)
さて、そろそろ下山する日が近づいてきました。
ここで私のナナフシ人生最大の出会いをご報告させてください。
Phobaeticus kirbyi !!!
全長600mm以上です!
まさかナナフシをおんぶできる日がくるとは思いませんでした!もしかしたら一生に一度の出会いだったかもしれません。
尊過ぎて身体中から喜びが溢れ出してしまいます。
これまで標本などを見てどうしてここまで大きくなる必要があるのかと思っていましたが、実際にジャングルにいるところを見たら妙に納得してしまいました。
大きい方が都合が良かったのかもしれません。
このサイズは想定外過ぎて、小さいナナフシよりも更にナナフシとは認識できないのです。
だからかえって敵にも見つかりにくいのかもしれません。
大きいからこその利点…
森に溶け込んだ後は滅多なことではピクリとも動かない上、この時のように万一見つかってしまったとしても、背中を触っても手に乗せようとしても頑固に樹にしがみつき、怪力を発揮して枝のふりを貫きます!
それでも樹から剥がされてしまうと、今度は長い脚で全速力で逃走します。私の足から頭までたった2歩!
一歩が大きい上に意外と早足で驚いてしまいます。
この時ばかりは舞い上がってしまい、ジロジロ見てごめんねと思いつつも夢中で顔を観察したり、手にぶら下げ頭に乗せ…
必死で撮った写真は180枚を超えていましたが、多分嬉しさ余って手も震えてしまっていたのかもしれません。ボケていない写真はほとんどないと言う失態です。
昆虫記者さん!ごめんなさい!
またこれで私的にクチンの評価が上がってしまいました!どうしてこんなにクチンが好きなのか!それは、おいしいもの、激安足つぼマッサージ、そしてナナフシ!私に必要なものが全て揃っているからなのかもしれません!
今回見つけることはできませんでしたが、コノハムシもちゃんといるそうです。そして今回は前回出会えた方々が覚えていてくださって、とても親切にしていただきました。
ナナフシが運んできてくれた素敵なご縁が海外にも広がっていくのはとても幸せです。
今回は特に、この巨大ナナフシとの出会いに酔いしれ続け…
これまでで一番帰りたくないと思った虫旅でした。でもこれは、毎回必ず思っています。
だから虫旅はやめられない!だから、虫好きは止まらない!
旅は虫連れ、世は情け!ナナフシガールの虫旅は続きます。ボルネオハイランドの虫や自然たち!ありがとう!
ナナフシに偏った虫レポを最後までお読みくださりありがとうございました。昆虫記者さん!ありがとうございました。
次回のサイヨークでもぜひ斜め上を行っていらしてください!
2018年7月
新井 麻由子
(昆虫記者です。麻由子の虫旅、すごいですね。60センチ級ナナフシといえば、世界最長級です。ギネス級です。※現在、種として最長はPhobaeticus chaniに抜かれたようです※メジャーを持っていくのを忘れたらしいですが、絶対持っていくべきでした。せめて麻由子ちゃんのこの青い上着は保存して、ナナフシの体長の推定を記録すべきだと思います。とんでもない記録かもしれないですよ、これ。やはり、麻由子ちゃんは、何か「持ってる」と言わざるを得ません。今頃は、また海外虫旅の最中のはず。行き先はタイのカオヤイです。持ってる麻由子のタイ虫旅の成果にも期待しちゃいますね。)