虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

東京大学のクズにコミスジの幼虫

 東京大学本郷キャンパスでは、コミスジをよく見かけます。この日も飛んでいました。
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 では、ここのコミスジの植樹は何なのでしょうか。藤棚が幾つかありましたが、それらしい食痕は見つかりません。

 建物の周囲の土手のようなところに、クズが繁茂していました。もしかすると、これかも。

 探してみると、すぐに、コミスジらしき食痕が見つかりました。彼らの若齢幼虫には、葉脈一本を残して、食べかすの葉をカーテンのように吊るす癖があります。幼虫はその残った葉脈の先端近くにいることが多いですね。スミナガシとか、イチモンジチョウなんかも、似た行動をとります。
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 擬態の一種なのでしょうが、虫探しをする人間にとっては、これほど分かりやすい存在証明はありませんね。

 葉脈の先端の茶色のゴミみたいなものを拡大してみると。ほうら、いました。コミスジの幼虫です。
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 こちらの葉にも、分かりやすい食痕が。
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 やっぱり先端近くに幼虫がいました。
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 クズには、クズノチビタマムシとか、コフキゾウムシとか、いろいろな虫の食痕がありますが、コミスジの食痕は明らかにそれらとは違います。クズでコミスジ探しをする際には、今回の記事を是非参考にして下さい。まあ、そんな暇人は、日本全国に数人ぐらいしかいないでしょう。東大キャンパスには恐らくだれもいないでしょうね。