虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

京成谷津駅からの旅、シジミチョウのクリスマスイブ

 谷津干潟でバードウォッチング、アカエイ・ウォッチングを終えた後は、シジミチョウの越冬観察に向かいます。

 このあたりの公園にはマテバシイが多く、ムラサキツバメ(鳥ではありません。シジミチョウの仲間です)の集団越冬が見られる確率がかなり高いのです。でも、当たり年と外れ年があって、ほとんど見られない時もあります。冬の虫探しは厳しいですね。でも、運良く何組もの越冬集団に巡り会えると、その喜びはひとしおです。

 まずは3匹の小集団を発見。まだ眠りが浅いようで、カメラのライトを当てていると、もぞもぞ動き始めました。
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 次は6匹の集団。今回はこれが最大の集団でした。可もなく不可もなく、そこそこの収穫という感じです。一応枯れ葉に擬態しています。
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 最後に見つけたのは、マテバシイの枝に引っかかった枯れ葉をうまく利用した、これまで出会った中で一番擬態のレベルが高い集団でした。枯れ葉の裏側にも一匹いて、計5匹の集団でした。近縁のムラサキシジミは枯葉を隠れ家にすることが多いようですが、ムラサキツバメが枯れ葉を利用しているのを見たのはこれが初めて。彼らの擬態も次第に進化しているのでしょうか。
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 冬はこうして、暖かく家族団らんで過ごしたいものです。でも、実際はそんな甘いものではなくて、この集団の中で何匹が春まで生き残れるのか、それは天候次第。自然界は厳しいのです。

 葉の表側で集団越冬するムラサキツバメと違って、たいてい一人ぼっちで葉裏で越冬するのが、ウラギンシジミです。この日は2匹見つけました。どんだけカメラを近づけても逃げられないのが、冬の虫撮りのいいところです。
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 こうして1匹でいるのが、小さな隙間からの木洩れ日のように見えて擬態になるのでしょう。でも、1人きりのクリスマスイブを迎えるのは、何だか寂しそうですね。