3月23日の土曜日は、季節外れの寒い一日でした。春の虫が動き出したかと期待して出かけた埼玉・秋ヶ瀬公園では何と、雹が降っていました。
昆虫記者もブルブルでしたが、虫もブルブル。エノキの小枝が枝分かれしている位置で、ゴマダラチョウの幼虫が、まだ越冬時の茶色のまま、固まっていました。落ち葉の中で一度目覚めて木に登ってはみたものの、まだ若葉も出ていなくて、しかもこの寒さ。枝に擬態するようにして、再び越冬モードに入ったようです。2度寝は体に悪いと思うのですが。
クヌギの太い幹の樹皮の割れ目の中では、クヌギカメムシの幼虫が孵化していました。これも寒そうで、微動だにしません。若葉が出る時期までは、このままの場所で卵を包んでいたゼリーの養分で生きながらえていくのでしょう。
羽化したばかりと見えるベニシジミとモンシロチョウも、草の葉の陰でじっとしているだけで、カメラのレンズを近づけても逃げようともしません。
そんな中で唯一元気なのが、春一番に目覚めるコガタルリハムシですね。メスの奪い合いの喧嘩があちこちで展開されていました。既に卵もどっさり産みつけられていて、かなり大きな幼虫の姿も見られました。すぐに夏眠に入ってしまう暑さに弱いハムシなので、急いで繁殖を終えないといけないのでしょう。寒いなんて言ってられない状況のようです。
土手の上は菜の花の花盛り。サクラソウ自生地では、ぽつぽつとサクラソウの花が咲き始めていました。寒くても季節は確実に春真っただ中です。