虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

千葉の春、花盛りは虫盛り

 千葉市若葉区泉自然公園の春は、花盛りでした。植物の後を追うように小さな虫たちも盛りを迎えます。

 まずはきれいどころのカシルリオトシブミ。小さいけれど金属光沢のピカピカのオトシブミですね。

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小さいけれど金ピカで接写の練習に最適のカシルリオトシブミ

 超普通種なので、近所の公園にもいるはずです。一番見つけやすいのは道端のイタドリの葉の上。揺籃を作っている時は近づいても、ポロっと落ちて逃げることが少ないので、接写の練習に最適です。

 

 公園の下の段です。大きな池があって、冬にはオシドリが来ます。カワセミが必ず見られる公園でもありますね。

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 バードウォッチャーが多い公園です。虫撮りしている人は、いつも昆虫記者一人だけです。悲しい。

 蝶は越冬明けのテングチョウ。色は褪せていますが、翅に傷一つないのは立派。

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越冬明けにしてはきれいな羽のテングチョウ

 春にだけ発生するツマキチョウは、菜の花と相性がいいですね。

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 桜はソメイヨシノが終わって、シダレザクラが満開でした。

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 この季節のタンポポの花の中には、モモブトカミキリモドキが潜り込んでいます。オスの立派な太ももは見ごたえがあります。

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魅力的、肉感的な太ももを持つモモブトカミキリモドキはオスです

 サクラソウの花畑は盛りを過ぎた感じでした。

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 春の朝方はまだ寒いので、アジサイの若葉が丸まっている中で寒さをしのいでいる虫が多くいます。朝方の虫探しの穴場ですね。

 この日は、トゲヒゲトラカミキリとケブカサルハムシが隠れていました。

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よく見ると触覚にトゲがあるので、トゲヒゲトラカミキリ

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ケブカサルハムシの仲間

 ニリンソウもまだ頑張っていました。

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 菫色のスミレの群生の片隅に、ただ一人我が道を行く白いスミレ。

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 こういう谷戸の風景は心が和むし、いかにも虫がいそうでいいですよね。

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 畑の大敵、キスジノミハムシがいました。非常に小さいハムシですが、年に何回も世代を繰り返す繁殖力の強さから、アブラナ科の野菜の重要害虫とされています。かわいいなんて思うのは、マニアックな虫好きだけ。

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アブラナ科の野菜の大敵、キスジノミハムシ

 糞虫も活動を開始していました。センチコガネです。

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 モミジの木には冬の名残のヤマカマス。ウスタビガの繭ですね。

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 ニンフジョウカイの仲間は早くも、子孫繁栄の活動に励んでいました。

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交尾中のニンフジョウカイの仲間