葛西臨海公園では、カニ釣りが大盛況。老いも若きも、男も女も、カニ釣りに興じておりました。
要領は、かつて男の子ならだれでも経験したザリガニ釣りと同じようです。棒の先にひもを付けて、紐の先に裂きイカを付けて、海辺の石垣の隙間を探ります。
がっついカニはハサミで裂きイカをつかみ、釣り上げられてもイカを離そうとしません。
結構たくさん釣れるようですね。ザリガニ釣りより効率がいい感じです。それに、ザリガニ釣りと比べて、服が泥だらけにならずに済んで、保護者は洗濯の手間が省けます。
やはり、カニ釣りという遊びの性格上、親子連れが主流ですが、夢中になっているのは、子供より親の方ということがよくあります。これはザリガニ釣りでも時折見られる光景ですね。親としては、子供に負けるわけにはいきません。昔取った杵柄。親の威厳を示すのはこういう時です。
しかし、カニ釣りはやるもので、見るものではありません。やっている人は夢中ですが、見ている方は飽きてきます。なにせ、ここのカニはちっこい。
そろそろ虫撮りに繰り出すことにします。
スイカズラの茎にバラのトゲのようなものが張り付いていました。昆虫記者はこれをツインピークスと呼んでいます。
この不思議な物体は、スイカズラクチブサガという蛾の繭です。成虫の蛾は本当にどうでもいい感じのありきたりの蛾ですが、この繭はなかなか凝った作りですね。このツインピークスのテントの中に蛹が入っています。
幼虫はスイカズラの新芽付近を食い荒らしています。新芽のあたりが、ぐしゃぐしゃと小汚くなっている中に幼虫が隠れています。
取り出してみると、こんな幼虫です。これまたどうでもいい感じの幼虫ですね。
結局この蛾の取り柄は、繭だけということになります。それでも、何の取り柄もない昆虫記者よりはましです。
キレイどころとしてはナナホシテントウが交尾していました。
こちらはベニヘリテントウ。カイガラムシの仲間を食べる益虫ですね。
これもテントウムシに見えますが、テントウノミハムシというハムシです。益虫のテントウそっくりの害虫のハムシです。
テントウノミハムシは、生垣のヒイラギ、ヒイラギモクセイの大害虫です。ヒイラギの垣根がボロボロになっているのは、すべてこのハムシの被害です。こんな小さなハムシが、生垣が枯死するほどの大被害を与えるとは信じがたいですね。
すさまじい被害をもたらすのは、成虫ではなく、幼虫です。テントウノミハムシの幼虫は、ヒイラギの葉の中に、こんなふうに潜り込んで、葉を内部から食べ進んで枯らします。
大きな幼虫は頭だけ葉の中に突っ込んで、お尻は外に出していることも多いですね。
ついでにマミジロハエトリ。正面から見ると、人間的な顔をしています。
小さい虫ばかり見ていると、視野が狭くなるので、時々公園の風景を眺めます。鯉のぼりが泳いでいました。
そして、野良ネコが物欲しそうに鯉のぼりを眺めていましたが、何を思ったか、野良ネコは突然、股を舐め始めました。毛づくろいの一環のようですが、特に股舐めは気持ちがいいようで、飽きもせずいつまでも舐めていました。
人間だったらちょっと恥ずかしい姿勢ですが、しょせん猫ですから、恥も外聞もありません。
人々は、バーベキューをしたり、海辺の広い芝生の上で、広い空を見上げたりして、くつろいでいます。
しかし、昆虫記者は近視眼的に茂みの中を覗き込みます。怪しい行動ですね。
葛西臨海公園名物のアカスジキンカメムシがいました。これは越冬明けの終齢幼虫です。前から見ると、キンカメムシの片鱗の輝きが若干見受けられます。
後ろから見ると、大口を開けた変な笑い顔ですね。
もうすぐ赤と緑のピカピカの成虫になりますので、是非探して下さい。鳥類園の散策路に多いです。