〇変顔でエゴイストの虫と言えば
若者の街、渋谷原宿は、変顔でエゴイスト(エゴノキが好み)の虫の季節を迎えていました。言わずと知れたエゴヒゲナガゾウムシ、別名ウシヅラヒゲナガゾウムシですね。
ウシズラは、エゴの葉を巻くエゴツルクビオトシブミ、長い口をエゴの実に突き刺すエゴシギゾウムシと合わせたエゴ3兄弟の虫の中で、一番遅く出てくる末っ子のような存在です。末っ子は要領のいい世渡り上手が多いですが、ウシヅラヒゲナガゾウムシのオスは非常に屈折した変な顔をしています。
メスは平べったい顔ではありますが、人並みで愛嬌があると言ってもいいでしょう。
しかし、オスは頭上に飛び出た角のようなものの先に目玉が付いていて、人間的基準からは、お世辞にも「イケメンですね」とは言えない風貌です。
さほど目玉が飛び出ていないオスは、「まあちょっと、個性的なお顔ですね」程度の変顔です。
しかし、極端に目玉が飛び出たのもいて、そうなると、要望についてコメントするのもはばかれる雰囲気になります。
でも昆虫界や野生動物界では、こういうオスの特異な形状が際立っていればいるほど、男らしいと評価されるようなのです。
変顔の極みのようなウシズラヒゲナガゾウムシのオスは、実はメスにもてもての超イケメンなのです。変顔、変顔とからかわれてきたウシズラのオスが何だかちょっと、うらやましくなりますね。