虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

〇えーっ、今頃オオトラフコガネ?。積み残しもここまでくると犯罪です

 今回は6月分の積み残しの甲虫。初めて撮ったオオトラフコガネの♀もまだ、ブログに載せていなかったなんて、「怠けるのもいい加減にしろ」と言いたくなりますね。もはやここまで来ると犯罪行為です。

 ということで、何と6月22日、雨の裏高尾で撮ったオオトラフコガネの♀です。もう3カ月も前のことですね。撮ってもらったオオトラフも泣いていることでしょう。

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オオトラフコガネの♀(左)と♂(右)

 オオトラフコガネは比較的数が少なくて、昆虫記者も少年、青年時代は憧れていた虫でした。でも高尾周辺にはわりと多くいて、6月中旬、下旬ぐらいにはかなりの確率で見つけることができます。運がいいと、1日の散策で5、6匹見つけることもあります。なぜか沢沿いの低木や下草の葉先に多いようです。

 なーんて語っても、今はもう秋。来年まで待ちましょう。「てめー、いい加減にしろ。今頃オオトラフ紹介するなんて、何考えてんだ。殴ってやろうか」といった反応が予想されますね。

 

 上の写真、左の黒いのが♀で、右の派手なのが♂です。虫好きが憧れるのは当然、華やかな姿の♂です。昆虫は、♂♀で色模様の大きな違いがある場合、たいていきれいなのが♂で、地味なのが♀。でも甲虫でオオトラフコガネのように模様と美貌に大きな男女差があるのは、珍しいです。

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地味なオオトラフコガネのメス。見逃してしまう、と言うか、見かけてもナンパしようなんて思わない類いの虫です。

 鳥も♂がきれいで、♀が地味というのが多いですね。哺乳類でさえ、♂の方がタテガミが立派だとか、牙が大きいとか、目立つのが多いです。それなのになぜ、人間だけは♀の方がきれいなのでしょう。まあ、化粧とか、髪形とか、ファッションとかすべて取り去ったら、男とあまり変わらないかもしれないですが。

 

 あとの甲虫は、あまり取り柄のないのが多いですが、広く寛大な気持ちから、資料として載せてやろうと思います。

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ヌルデにいるヨツボシカミキリ

 ゴマフカミキリがクリの木で交尾していました。きっとこの木に産卵して、幼虫が木の中を食い荒らして枯らしていまうのでしょう。

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交尾中のゴマフカミキリ

 

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たぶんシラケトラカミキリ。背中に漢字の「火」の字があります

 6月の土場で一番多いのは、キイロトラカミキリ。なぜか天気が悪い日には少なく、日が照ってくると、突然どこからか湧いて出るように現れて、材木の上を忙しく走り回って、交尾、産卵をしまくります。

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交尾中のキイロトラカミキリ。6月の土場ではやたらこのカミキリが多い

 梅林の梅の実の上では、ツツムネチョッキリが交尾していました。最近ウメの害虫として注目されているらしい。

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ウメの実の上で交尾するツツムネチョッキリ

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 郊外のヒイラギナンテンの実には必ずいるクチナガチョッキリ。

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交尾中のヒシモンナガタマムシ

 最後はどこにでもいるけど、ちょっとかわいいキベリクビボソハムシ。我が家の近くの小さな公園の山芋にもいます。

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山芋にいるキベリクビボソハムシ