虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

日本最小のスズメガ「ホシヒメホウジャク」は蛾だけどかわいい

 たまに日本の虫。1カ月ほど前に自宅で羽化したホシヒメホウジャクです。大きいと不気味なスズメガの仲間ですが、小さいというだけで可愛く見えますね。日本最小だそうです。

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ホシヒメホウジャク。こんなに小さくてもスズメガの仲間です。日本最小です。

 幼虫はホシホウジャクと同じヘクソカズラを食べます。でも、ヘクソカズラでみつかるのはいつもホシホウジャクの幼虫ばかりで、ホシヒメホウジャクを見つけたのは、今回を含めてわずか2回だけです。

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川崎市で見つけたホシヒメホウジャク幼虫。前回見つけたのは浜離宮でした。

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幼虫はこれがほぼ最大サイズ。成虫が小さいので、当然幼虫も小さいです。

 成虫を見たのは、ホシホウジャク1000回に対してホシヒメホウジャク1回くらいの割合でしょうか。

 ホシホウジャクは嫌になるほどいますから、虫撮りに出かけると1日に2、3回は見かけます。なので、ホシヒメホウジャクを見つけると、すごい幸運のような気がするのです。幼虫は金箔を張ったような模様で、おめでたい印象だし。

 

 ヘクソカズラの葉を丸めて蛹室を作ります。

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ホシヒメホウジャクの蛹室

 蛹室の中の蛹はこんなです。

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ホシヒメホウジャクの蛹


 そして羽化。

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小さくて愛おしいですね。

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極小のホシヒメホウジャクですが、大写しにするとホークモスの精悍な姿に。

 羽がちょっと凸凹の変わった形をしています。裏から見るとよく分かりますね。枯れ葉っぽく見せるためでしょうか。

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裏から見ると、凸凹の羽の形が面白い。

 こんなに小さくてもスズメガ。それだけで可愛いと思えるから不思議です。子犬も子猫も可愛いですよね。体重100キロ近くある子象でさえ、親象より小さいというだけで可愛く思えるます。小さくて弱い者が生き残るには、きっと、この可愛さで獲得する愛情が不可欠なのでしょう。