虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

尻フェチにはたまらないアカスジキンカメ幼虫の越冬姿

 台風被害から当分立ち直れそうにない埼玉・秋ヶ瀬公園ですが、冬場の常連のアカスジキンカメムシ幼虫は、今年も頭隠して尻隠さずのいつもの姿勢で頑張っていました。尻フェチにはたまらない?お姿ですね。

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尻フェチにはたまらない、素敵なお姿のアカスジキンカメ幼虫の越冬風景

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頭隠して尻隠さず。お尻が寒そうです。

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 でも見かけるお尻の数は例年と比べるとずっと少ない感じです。公園は完全に水没してしまったので、昆虫生息数が回復するには今後5年、10年はかかるかもしれません。昆虫記者にとっては、毎年何度も通う場所だったので悲しいです。

 

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越冬中継地の電柱に集まるテントウムシも今年は異常に少ない

 週末なのに広い芝生広場に誰もいないのは、奇妙な風景です。遊具のある広場にも、家族連れの姿はありません。

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終末の昼時でも誰もいない芝生広場

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遊具のある広場にも誰もいません。

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人がいないので、キセキレイがベンチの上を我が物顔で歩いていました。

 歩道は泥が積もり、倒木や枯れ枝にふさがれている場所もあります。駐車場は泥が積み上げられていました。

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泥が積もった歩道

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 木々には2,3メートルの高さのところに、大量のゴミがひっかかっています。公園全体が何メートルもの水位の泥水に覆われていたのでしょう。

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木の上には大量のゴミがひっかかっていました。

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テニスコートも無残な状態に

 

 公園が完全に水没していた当時の様子は、ユーチューブ上にあった動画から借用しました。

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ユーチューブ上には秋ヶ瀬公園水没の様子が

 こんな状況ではオサムシなど飛べない虫や、イモムシたちは死滅したでしょう。

 

 それでも土手の上のヨモギには、ヨモギハムシの姿がありました。12月まで活発に活動して、交尾までしてしまう寒さに強いハムシですね。

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お腹の大きなヨモギハムシの♀

 ヨモギの葉から掌に落ちてきたヨモギハムシのカップルは、交尾姿勢を崩そうとしません。固い愛で結ばれているようです。

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交尾姿勢を崩さないヨモギハムシのカップ

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 蝶や鳥は、飛んで逃げられるので、回復は速そうです。12月になっても、モンシロ、ヤマトシジミベニシジミなどが頑張っていました。

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越冬バッタのツチイナゴは土手の上で難を逃れたようです

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エノキの大木の股の部分で越冬していたゴマダラチョウ幼虫も被害を免れたようです

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ゴマダラチョウ幼虫が越冬していたのはこんなところ。運のいいやつらです。