新年明けましておめでとうございます。皇居は新年を迎えるのにふさわしい場所の1つですね。と言っても、人込みの苦手な昆虫記者は、一般参賀に行くこともできず、お堀のヨシガモのナポレオンハットを眺めて新年を祝います。
都心部で確実にヨシガモが見られる所と言えば、やっぱり皇居です。こんな水鳥の楽園が都心にあるなんて、本当にありがたいですね。
最近はジョガーに占拠された感のある皇居一周コースですが、ジョガーの皆さんに邪魔にされながら、のんびり水鳥を眺めながら歩くのも悪くないものです。
「カモなんて、どれも同じ顔じゃないか」と思っている人もいるかもしれませんね。ヨシガモはナポレオンハットなんて言うけど、「どこがナポレオンなのか全然分からない」という人もいるでしょう。
ではこの姿を見てみましょう。確かにナポレオンハットですね。
えっ、どこが?という人は、ネットで帽子をかぶったナポレオンの正面顔を検索してみましょう。
その後で最初にアップしたヨシガモ♂の頭の写真を見てみましょう。黒いくちばしと、首の後ろの黒い寝ぐせのような模様は、ナポレオンの帽子の両端の尖がった部分そっくりではありませんか。そして、くちばしから首の後ろまでの微妙なカーブもまさに帽子そのもの。カーブの下にナポレオンの顔を描けば、ナポレオンその人になりますね。
このヨシガモは凱旋濠にいたので、まさにパリに凱旋したナポレオンです。
皇居でヨシガモが多く見られるのは、この凱旋濠の隣の桜田濠です。水深が浅くて、水が澄んでいて、水草が多いところが好みのようです。今回はオスメス合わせて20~30羽くらい見られました。
今年は半蔵濠の北端のところにもヨシガモの群れがいたのですが、なんとその群れは♂が1羽だけで、あと10羽ほどは全部♀というハーレム状態でした。何とうらやましい光景なのでしょう。
人間界だと、♂の方から♀にちょっかいを出すことが多いですが、この群れでは、♀が次々と♂のところにやってきて、気を引いていました。これまたうらやましい。
英雄色を好むと言いますが、カモ界のナポレオンも、精力絶倫なのかもしれませんね。
ここでは水草を主食にしているようですが、陸に上がって草の葉を食べていることもありました。
カルガモ、コガモなど他のカモはあまりナポレオンには似ていないし、都心のあちこちにいるので、無視されがちです。その他大勢の悲しさですね。