虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

春の墨田川の水路に黒鯛の乗っ込み

 新型コロナのせいで春なのにどこにも行けないので、自宅周辺を体力づくりのため散歩です。家のすぐ近くには、墨田川と荒川をつなぐ汚い水路がたくさんあって、その両岸は桜満開なのですが、何と汚い水路の中にも春を発見してしまいました。黒鯛の乗っ込みです。

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小名木川(実際は川ではなく水路)の黒鯛の乗っ込み

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小名木川横十間川が交叉するあたりの浅瀬にたくさん黒鯛がいました。

 黒鯛は春になると、産卵のため浅い場所に上がってくるらしいです。黒鯛は真鯛と違って、近所の岸辺でも釣れるので、都会の釣り人にも人気の魚。その上、味は真鯛とほぼ同等で、非常に美味です。

 

 でも、こんな汚い水路にほんまにおるんかいな、と思う人も多いでしょう。でも、実は黒鯛は、かなり汚いところにもたくさんいます。しかも河口付近など汽水域を好むので、こんな水路にもたくさんいるのです。2匹が連なって泳いでいるのもいて、カップルなのかもしれません。でも黒鯛は成長の過程で性転換するらしいので、♂か♀か、はたまたXジェンダーか不明です。

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オスメスでしょうか。2匹連なって泳いでいるのもいました。

 とはいえ、ここの黒鯛、食べるには勇気がいりそうですね。昆虫記者は、もし釣り上げても、食べません。

 

 もう一つ、この汚い水路で目にした春がありました。カミクラゲというクラゲです。春に太平洋岸の湾内に出現する春を告げる神様のようなクラゲです。でも、その名の由来は、髪の毛のようや触手なので、神クラゲではなく、髪クラゲですね。

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東京湾に春を告げるクラゲ、カミクラゲ

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クラゲの上に小さな魚の姿が見られます


 そして、浅瀬には、ボラの子供でしょうか、小さな魚がウジャウジャ。

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小さな魚がウジャウジャ。江東区の汚い水路にもたくさんの命がひしめいています

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 汚い水路の中も、春爛漫のようですね。外出自粛で遠方に虫探しに行けないので、しばらくは地味な近所の春で我慢。「コロナの馬鹿、馬鹿、馬鹿」と叫びたくなりますね。