虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

ドリームアイランドの夢とは程遠い虫たち

 家から歩いてドリームアイランドに行ってきました。どんな素敵なところかと、想像をめぐらせてしまった人には申し訳ありませんが、英訳するとドリームアイランドとなるのは、夢の島、ごみ埋め立てでできた江東区の人工島ですね。でも蝿公害で騒がれたゴミの山の時代は遠い昔。今は緑の多い都民の憩いの場、新型コロナで遠出ができない昆虫記者にとっては、癒しの虫撮り場になっています。

 

 と言っても、しょせんは都心のゴミ埋め立て地ですから、大した虫はいません。それでも、よく探せば、あの猫耳の日本最大級のシャクトリムシ、トビモンオオエダシャク幼虫の姿もあちこちに。

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日本最大級シャクトリムシとして有名なトビモンオオエダシャクの幼虫

 トビモンオオエダシャクは、大きさが魅力ですが、大きくなると数が減って、出会いの機会も激減します。でも小さい時は、4月末ごろに桜、シラカシなどのヒコバエや下枝にたくさんいるので、都心の公園でも1時間ほど探せば4、5匹は見つかります。あの巨大シャクトリの雄姿をどうしても見たいという人(希少価値の人です)は、小さい時に捕まえて、数週間飼育すると簡単に夢がかないます。是非お試しください。

 

 飼育を計画している人は、桜で探すのがいいでしょう。餌の調達が楽ですから。

 

 で、今回はまず4月下旬に桜にいた極小クラスのトビモンオオエダシャク幼虫です。ちょっとだけ猫耳です。

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極小クラスのトビモンオオエダシャク幼虫

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かすかに猫耳が見える。枝のように突っ立っている時はたいてい、細い糸を使ってバランスを取っている

 約1週間後には、トビモンオオエダシャク幼虫はこんなに立派になります。猫耳はウサギの耳のようになりました。

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だいぶ大きくなったトビモンオオエダシャク幼虫

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猫耳はウサギの耳のようになった

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 夢の島の桜には、一番普通のナナフシの「ナナフシモドキ」もたくさんいます。これも数が多い小さな幼虫の段階が見つけやすいですね。

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桜やエノキに多いナナフシモドキ

 あと、桜の常連と言えば、ムネアカアワフキ。小さい虫ですが、鮮やかな赤い紋が粋ですね。

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背中の桜吹雪ならぬ赤い紋が粋なムネアカアワフキ

 ナナフシはエノキにも多くいます。

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エノキのナナフシモドキ。手前にヨコバイ、後ろに虫こぶで、何だか良く分からない写真になりました。

 でもこんな風にエノキの葉を穴だらけのボロボロ状態にするのは、ナナフシではなく、エノキハムシの幼虫です。

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エノキの葉を穴だらけのボロボロにするのはエノキハムシの幼虫

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