虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

シンガポールの沿線昆虫ガイド㉓蝶の羽化も見られるチャンギ空港のバタフライガーデン

 シンガポール・チャンギ国際空港のバタフライガーデンでは、蝶の羽化も観察できます。蛹の展示数が半端ではないので、午前中なら羽化のシーンを目撃できる可能性がかなりあると思います。大抵の蝶は、未明から明け方に羽化するのですが、ちょっとお寝坊の蝶も必ずいるものです。

 

 昆虫記者が訪れた時にも、チャイロタテハが羽化していました。チャイロタテハは、南国のタテハの中では地味な部類ですが、英語圏ではクルーザー(巡視艇)という格好いい名前で呼ばれています。たぶん♂がタテハ特有のテリトリーを主張する巡視をするからでしょう。しかし、クルーザーには盛り場で女あさり、男あさりをする人という意味もあるようなので、交尾相手を求めて飛び回る蝶という、あまりありがたくないあだ名なのかもしれません。

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羽化直後、蛹にぶら下がるチャイロタテハ、別名コウモリタテハ。

 しかし、この蝶にはもう一つ、注目すべき変な名前があります。それはコウモリタテハ。別に蝶の姿がコウモリに似ているわけではありません。コウモリそっくりなのは、蛹なのです。一体誰が、蛹まで観察して、この蝶にコウモリの名を付けたのか。誰なのかは知りませんが、きっとその人は、この蝶の蛹を見て「何だこれは!芸術は爆発だ!」と岡本太郎のように、絶叫したのでしょう。そうでなければ、蛹の見た目の印象を蝶の名にしたりはしないでしょう。

 

 それでは改めて、コウモリタテハの蛹を見てみましょう。

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さかさまにぶら下がるコウモリそっくりなコウモリタテハの蛹

 「うわー、何だこれは!」。コウモリのような羽、コウモリのような頭。まさに、さかさまにぶら下がったコウモリそのものですね。

 でももちろん、あまりに小さいので、コウモリに擬態しているわけではないようです(擬態しても何の得もないし)。実際には、枯れて丸まった葉に擬態していると言われています。

 

 このほかに、ベニモンアゲハ、ツマムラサキマダラ、サトオオイナズマなどの蛹も展示してあります。

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ベニモンアゲハの蛹

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ツマムラサキマダラの蛹

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サトオオイナズマの蛹

 蛹はあまり見栄えがしないので、観光客には人気がありませんが、虫好き日本人として自己主張するためには、蛹コーナーをじっくり観察しましょう。えっ、蛹なんて全く興味ない?。そうですよね、蛹なんて、普通はどうでもいいですよね。

 

 ということで、南国の美しい蝶の続きです。

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トラフタテハ。シンガポールでは絶滅が危惧されています。

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リュウキュウアサギマダラ

 

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ツマムラサキマダラの♀

 

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イワサキコノハ

 

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羽を閉じたイワサキコノハ

 

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リュウキュウムラサキ

 

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サトオオイナズマ

 

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サトオオイナズマを手乗りさせる少女

 

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地味なハイイロタテハモドキ

 おっと、忘れてました。主役のチャイロタテハ(コウモリタテハ)の雄姿を紹介しないといけないですね。コウモリタテハは雄と雌でかなり姿が違うので、別の種類かと思ってしまいます。

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チャイロタテハ(コウモリタテハ)の♂

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こちらがチャイロタテハの♀

 またまた、おっと。これだけ宣伝しておいて、バタフライ・ガーデンの行き方を説明していなかったのは不親切ですね。

 

 バタフライ・ガーデンはチャンギ空港第3ターミナル2階、出国イミグレーションに向かって一番左奥にあります。奥まったところにあって、見つけにくいです。3階にもバタフライ・ガーデンの入り口があるので、その方が見つけやすいかも。3階にはフードコートがあるので、安く食事ができます。3階のバタフライ・ガーデン入口はフードコートの奥にあります。

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ちゃんと、バタフライ・ガーデンの案内表示もあります

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3階のフードコート。奥にバタフライ・ガーデンがあります。

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フードコートを突き進むと、ほら、ありました。

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3階の入り口付近から見下ろしたバタフライ・ガーデン内部


 早くコロナ禍が終息して、また海外旅行に行きたーい。シンガポールに行きたーい。そう思ってもらえたら、この記事を書いた甲斐があったというものです。