車を廃車にしてからは、電車で簡単に行ける昆虫スポットの探索に努めていたのですが、今年の夏はサンリオピューロランドと多摩ニュータウンで有名な多摩センター駅周辺をしつこく探索しています。去年は鎌倉周辺を執拗に探索したのですが、東京都民が他県へ足を延ばすのは、コロナ禍の今はためらわれます。このあたりは町田市と八王子市の境。つまり東京都なのです。コロナ危機以降、まだ都外に出ていないって、律儀ですよね。小池都知事に表彰してほしいものです。
まずは、多摩センター駅で小田急線に乗り換えて1駅の唐木田駅から、よこやまの道を経て小山田緑地を目指します。ゴルフ場開発が進んではいるものの、畑も多く、里山の雰囲気も濃厚で、昆虫濃度もまずまずといった感じでした。最初に訪れたのは6月下旬。
カブト、クワガタといった派手な虫の登場はまだ先の季節だったので、今回は地味ながら、異様な存在感を誇るオニアシナガゾウムシあたりから始めようかと思います。でも彼らだけではあまりに地味なので、ギリギリ間に合った平地のゼフィルスも援軍として登場します。
オニアシナガゾウムシを探すなら(わざわざ探す人はほぼ皆無)エノキの立ち枯れを見つけることです。今回は比較的新しい伐採木に山ほど群れていました。
何と言ってもオニアシナガゾウムシ見どころは♂の長い前足ですね。この前足を使って、♀を押さえ込んで、一気に交尾に持ち込みます。ワルですね。顔つきもかなりワルです。
これでカブクワぐらい大きかったら、見ごたえも迫力もあって、テナガコガネみたいに人気になったかもしませんが(顔が悪いから無理か)、なにせ体長1センチ前後と小さい。それに枯れ木や倒木など、薄暗い環境にいることが多くて目立たない。これでは決してスターダムに上り詰めることはできないでしょう。永遠に日の目を見ない雑虫ですね。
ということで、ちょっとは花を添えないといけないので、ゼフィルス(樹上性のシジミチョウ)です。もはや季節終盤だったので、ボロばかりですが、オニアシナガゾウムシよりは、見栄えがいいでしょう。容姿差別と言われそうですが、相手は虫ですから、どんなに差別しても構わないのです。
小山田緑地への行き方も簡単に紹介します。
私の住居は都営新宿線沿線なので、京王線乗り入れ列車の橋本方面行きで京王多摩センター下車。
唐木田からは下の地図で、よこやまの道方面へ。
今回は小山田緑地へと脇道に入りました。このあたりは、小山田の道とか、からきだの道とか、よこやまの道経由で長池公園とか、昆虫濃度の濃い散策路がたくさんあるので、飽きることがありません。
ゴルフ場がなければ、もっと虫が多いはずなのに、などと嘆く者は極めて少数派。いつの日か、昆虫愛好家がゴルフ人口をしのぐようになって、ゴルフ場が昆虫広場に変わってほしいものですね(誰もそんなこと望んでないぞ)。