虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

派手な柄物ストッキングが自慢のマダラアシゾウムシ

 前回紹介した長池公園にも続いている「よこやまの道」は、果てしなく長いので、昆虫記者の体力では歩き切るのは不可能。長池公園と小山田の道、小野路など昆虫の穴場間の移動経路として利用するのがいいと思います。

 

 そんな移動の途中にも、意外な収穫があったりするのが、虫撮りの醍醐味ですね。よこやまの道の今夏の最大の収穫は、マダラアシゾウムシの集団でした。

 

 派手な柄物ストッキングをはいた女性がいると、目が釘付けになるものですが、このマダラアシゾウムシの迷彩柄ストッキングも、負けず劣らず見事です。

 

 写真を撮る角度によっては、一見何が何だか分からない画像になってしまいます。

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なんじゃこりゃ系のマダラアシゾウムシ。派手な柄物ストッキングが自慢

 このマダラアシゾウムシは、ヌルデという木に多いと聞いていたのですが、これまでは木道上やクヌギの樹液などでの、偶然に近い出会いばかりでした。それが今回、まさにヌルデで大量に発見。カップルのマダラアシゾウムシが多くて、柄物ストッキングを共通項にした、変な趣向のお見合い会場のようでした。

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ヌルデの木で交尾中のマダラアシゾウムシ。ゴツゴツした樹皮の上では柄物ストッキングも目立たなくなる

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このヌルデの木にはマダラアシゾウムシが10匹以上集まっていた

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きちんとした姿勢だと、ゾウムシだと分かる

 よこやまの道から、ちょっと観光気分で鶴見川源流の泉を攻略。

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わざわざ見に行くほどのものでもない鶴見川源流の泉

 その途中の道で、シロオビトリノフンダマシを見つけました。これも一見、何が何だか分からない系の生物ですが、クモの仲間です。その名の通り、鳥の糞に擬態しているらしいです。歩き出すと、クモの正体が明らかになります。

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静止していると正体不明のシロオビトリノフンダマシ

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動き出すとクモの正体がばれるシロオビトリノフンダマシ

 

 ニンジン畑には、当然キアゲハの幼虫。

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ニンジン畑と言えば、キアゲハ幼虫

 

 ヒルガオの葉には当然、ピカピカのジンガサハムシ。

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金色に輝くジンガサハムシはヒルガオの常連

 しかし、ここでも、ジンガサハムシより、ずっと大型のヨツモンカメノコハムシの方が多くなっていました。ヨツモンカメノコハムシは、もともと日本では琉球列島あたりにしかいなかった南方系のハムシですが、温暖化の影響なのか、どんどん北上を続けています。去年は神奈川県で見つけ、今年はついに東京進出の証拠をつかんでしまいました。大型なので、サツマイモなどへの被害が懸念されますね。昆虫記者的には、サツマイモの被害と同時に、金色に輝くジンガサハムシが、ヨツモンとの競争に敗れて数を減らすことが心配です。

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ジンガサハムシを駆逐する勢いの南方の虫、ヨツモンカメノコハムシ

 「よこやまの道」のついでに、唐木田駅からすぐの「からきだの道」も紹介します。ゴルフ場と住宅街に挟まれた散策路なので、虫の姿は少ないですが、花が多く、比較的平坦で歩きやすいので、「虫なんかどうでもいい」というハイカーの方々にはお勧めです。

 

 それでも虫を探すのが昆虫記者。からきだの道では、たくさんのアカハナカミキリが歩道脇の木の杭の上で、恋のバトルを繰り広げていました。

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アカハナカミキリがまず1匹

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メスの匂いを嗅ぎつけてオスがやってきました

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メスに飛びかかるアカハナカミキリのオス

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すぐさま交尾

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そこへ、横恋慕を押しに別のオスが

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あちこちの杭の上で恋の花が咲いていました

 虫は少ないものの、ただの散策路としてはなかなかいい感じの「からきだの道」

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アジサイの季節の「からきだの道」の東屋

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 そして唐木田駅には、行き帰りにいつも昆虫記者を出迎えてくれる美少女がいます。

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