GO TOトラベルの影響もあって、この3連休は各地の観光地が芋の子を洗う3密のすごい人出になってますね。新型コロナの感染者が急増していて、また緊急事態宣言とか、完全テレワークとかなるのは嫌ですよね。しかし観光地だからすべて大混雑というわけではありません。地磁気逆転の地層で世界的に有名になったチバニアンは、静かで、落ち着いた観光地でした。
養老川のゆったりした流れと、蝶の蛹。昆虫記者ならではの、全くちぐはぐな組み合わせですね。羽化間近の羽の模様で何の蝶か分かったら、あなたももう、こちら側の世界の人間です。普通の世界には戻れません。
チバニアンには車で行くのが便利ですが、小湊鉄道の月崎駅から、ひなびた田舎道の雰囲気をのんびりと味わいながら行くのもいいものです。
そしてチバニアン到着。車で来ると駐車場からあっという間の到着なので、時間を持て余しそう。車の無い昆虫記者のような貧乏人の旅の方が、全行程を半日ほど楽しめてお勧めです。ボランティアのオジサン(下の写真の右端)が代わる代わるやってきて無料で解説してくれるので、オジサンがいない時は、ちょっと待ってみましょう。ただし平日はいないかも。
77万年前、最後の地磁気逆転が起きた時期の地層の位置が、火山灰の狭い層のお陰で誰にでも簡単に分かるというところが、チバニアン時代という千葉を世界に知らしめる時代名称が採用された大きな理由のようです。ほーら、昆虫記者もちゃんと勉強しているのです。今また突然地磁気が逆転すると、航空機がまともに飛べなくなったり、とんでもないことが起きるそうです。なんかワクワクしてしまうのは変でしょうか。
川底が柔らかい石でできていて平らなので、化石が露出しているところも多いです。大抵の人はチバニアン地層だけ見て帰ってしまいますが、それではもったいない。77万年前、ここが水深500メートル以上の海の底だった時の化石ですよ!。三葉虫みたいなカッコイイ化石ではありませんが、少しは感動しましょう。
海底で生活していた生物の巣穴や移動の跡を示す生痕化石という、さらに地味な化石もあります。うーん、これで感動しろと言われても、ちょっと難しいかも。
川の浅瀬に入るためには、こんな雨除け靴カバーを持っていくといいかも。昆虫記者は雨の日のジャングルのために、これを常備しています。
オオーッ!アンモナイトの化石が!なーんて真っ赤な嘘です。近くにあったアオツヅラフジの実から取り出した種です。この種はアンモナイトに似ていることで有名ですよね。
川の中には魚の姿も。アユ!と思ったら大間違い。今時アユはいません。どこにでもいるオイカワ(ヤマベ)ですね。昆虫記者はかつては釣りも趣味だったので、魚の知識も多少あります。何て偉いんだ!
オッと忘れてました。甌穴(ポットホール)です。川底が柔らかいので、窪みに入り込んだ石などが長い間回転してこんな丸い穴ができると、昔科学番組で見たような。
そして虫です。冒頭の写真で登場した蛹は、カラムシの葉で作られた広い蛹室の中にあるアカタテハの蛹です。近くにたくさんありました。この時期、さすがにもう幼虫はいなくて、全部蛹でした。
鳥系の方々にも配慮して、最後は農家の庭先でのモズの高鳴きです。キチキチバッタの音を100倍にしたような、キチ、キチ、キチ、キチと鳴き続ける声は本当にうるささい。
こんなつたない記事を読んで、チバニアンにいってみようと思った人がいれば嬉しいです。月崎から歩きがお勧めと書きましたが、電車の本数が非常に少ないので、本当は裕福な方々にとっては車がお勧めです。