今時になって秋の野山の味覚です。完全に一般社会と時間軸がずれているのが、常人たらぬ昆虫記者です。
・柿
まずは代表的な秋の味覚の柿。これはほとんどの場合、所有者がいるので、勝手に取って食べることはできませんが、鳥や虫は勝手に食べています。うらやましい。
そして栗。丹波栗のような立派な栗はやはりたいてい所有者がいますが、山栗は野山の散策路にたくさん落ちていますね。これはたいてい所有者がいないので、無料で取り放題、食べ放題です。昨年は多摩丘陵で拾った山栗をたらふく食べました。
・山栗レシピ
一番簡単な食べ方は、一晩水に漬けたり、ゆでたりしてから鬼皮をむいて素揚げにして、軽く塩を振るだけというものです。実はこれしか食べ方を知らないのに、レシピなどとおこがましいですね。
ムカゴ・レシピ
山芋を掘るのは大変ですが、ムカゴなら簡単にいくらでも収穫できます。山道を散策しながら、大きいムカゴを見つけるたびに摘んでいくのは楽しいものです。さて、レシピですが、これまたバカの一つ覚えで、塩ゆでしてそのままいただくというのが、唯一知っているレシピです。これが結構おいしい。
銀杏
イチョウの実である銀杏は、踏んでしまうとウンコのような悪臭が靴底について嫌ですね。なので、可能な限り拾って食べてしまいましょう、と言いたいところですが、子供が何十粒も食べると食中毒になる恐れがあるので注意が必要。大人で10粒ぐらいまでなら、何の問題も無いようです
葛西臨海公園の鳥類園に向かう駐車場前の道には、イヌマキの生垣があります。イヌマキの実は、花托という赤い部分がほんのりと甘く、そのまま食べられます。しかし、その先の緑色の種子の部分には毒があるので気を付けましょう。
ガマズミ
ガマズミは、小さな赤い実がびっしりと付いて、秋の野山の色模様として親しまれていますが、意外にも食用になります。でも小さい実なので、全く食べ応えがありません。しかも、葉が茂っている頃はまずいらしいです。初冬になって葉が落ちた頃に、一粒、二粒つまんで、甘酸っぱさを愛でるのがいいようです。昆虫記者は昨年初めて食べてみましたが、酸っぱいだけという感じでした。時期が早かったのかも。
クコ
クコの実は、杏仁豆腐の上にポチっと乗っている赤い実です。乾燥させてナッツ類と一緒に食べたりもしますね。でもこの乾燥が難しい。何回かチャレンジしましたが、美味しい乾燥クコの実になったためしがありません。
ケンポナシ
ケンポナシは、枝が食用になるという不思議な木です。写真で枝先に付いている丸いのが実。その後ろの太くなった枝(花梗とか花柄とかよばれる花や実の後ろの部分で、厳密には枝ではないようです。サクランボを食べる時につまむ緑色の部分ですね)が、梨のような味がするようです。昆虫記者が食べた印象は、甘さの強いサトウキビのような感じでした。1つ目、2つ目めぐらいは良かったのですが、その後で食べたらお酒の味がして、アルコールに弱い昆虫記者は、しばらく酩酊状態になりました。落ちてから時間が経つと発酵することもあるようです。気を付けましょう。ケンポナシはあまり多くない木で、東京中心部では、戸越八幡神社、林試の森公園、小石川植物園などで見られます。
秋の野山の無料の味覚を紹介していたら、もう春、夏の味覚が恋しくなる意地汚さ。野イチゴとか、クワの実とか、よだれが出そうですね。