真冬のイモムシ探しで一番萌え萌えになるのは、アサギマダラでしょう。白、黄、黒の組み紐のような胴体の模様も萌え要素ですが、若齢幼虫のブサカワ、キモカワの顔も、捨てがたい魅力があります。
南国の蝶の印象が強いアサギマダラですが、幼虫は結構寒さに強く、真冬の東京でも食欲旺盛で、キジョランにせっせと丸い食痕を開けています。
今年も八王子方面にアサギマダラ詣に行ってきました。マイナーな場所なので、食草のキジョランが繁茂する山道は人影もまばら。3密回避の余暇には絶好です。
東京でのアサギマダラア幼虫の越冬には、冬も青々としたこのキジョランが欠かせません。幼虫の居場所の目印は、葉に開いた丸い穴。植物が出す毒液をあの有名なトレンチ行動で遮断しようと、円形に堀をめぐらせた後で、堀の内側の葉を食べるので、この丸い穴が開くのです。
昆虫記者にしてみれば、アサギマダラの幼虫が「私はここにいますよ、見つけて下さい」と言っているようなものです。新しめの丸い穴(裏を見て穴の周囲に白い毒液がたくさんこびり付いているのが新しい穴です)が開いた葉が何枚か続いていたら、そのどれかの裏側にたいてい幼虫がいます。
まずは極小の幼虫。この段階の幼虫の顔は黒一色であまり面白くありません。
少し成長すると、突如デストロイヤーの覆面(若い人は誰も知らないので、要ネット検索)のような変な顔になることがあります。2、3齢ぐらいの幼虫でしょうか。昆虫記者はこの顔が一番好きです。
このあたりまでの極めて小さな幼虫の方が、冬の寒さに強いようで、春まで生き残って立派な蝶になる確率が高いようです。
5齢と同じような、お馴染みのテントウムシの背中の模様のような顔のもいました。これはなかなか端正な顔立ちと言えます。
少し大きめの幼虫もいました。脱皮後間もないようで、顔は仮面ライダーの面を白塗りしたような感じです。背中の模様は、全体に黄色の斑をちりばめた立派な最終形態になりつつあります。
この時期にこの大きさになってしまった幼虫は、これまでの経験上、外では凍死する可能性が高いように思います。助けてやりたい気もしますが、そうすると2月ごろに成虫になって、これまた悲しい運命が待っています。頑張って寒さに耐えろと言うしかないですね。