虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

冬の虫撮り一気出し。外はもう春。緊急事態宣言の解除が待ち遠しい

  今日葛西臨海公園に行ったら、もうシャクナゲも咲いていて、春の虫の一番手、コガタルリハムシは既に交尾、産卵に入っていました。冬の虫の時期はもう終わりですね。なので、今冬の写真の残りを一気出し、大バーゲンセールです。

 

 まずは冬のトンボ、ホソミイトトンボとホソミオツネントンボ。12月末時点の写真なので、彼ら越冬トンボにとっては、まだまだ元気はつらつの時期でした。

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ホソミイトトンボ。越冬するトンボはみんな小柄なものばかりです。

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12月末のホソミオツネントンボ。夏には青くてきれいなトンボに変身します。

 次は越冬カメムシ。アカスジキンカメムシの終齢幼虫が、エノキの落ち葉の中にいました。ウシカメムシはなぜか、真冬に木柵の上を歩いていることが多いですね。

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エノキの落ち葉の中で越冬していたアカスジキンカメムシの幼虫

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ウシカメムシは真冬の方が見かける機会が多いかも

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ウシカメムシの角を指にぶっ刺してみました。痛そうですね。

 テントウの仲間で小さい種類も、冬の方が、殺風景の中で動きが鈍いので見つけやすいかもしれません。

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12月末に木柵の上にいたウスキホシテントウ

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小さいテントウのヨツボシテントウ。これも真冬によく出会う。

 冬のバッタと言えば、ツチイナゴ。バッタのくせに成虫で越冬する変わり者ですね。

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真冬に大きなバッタに出会うと、温暖化もここまで来たかと嘆く人がいるかも。でもそれは成虫で越冬するツチイナゴです。

 エゴの木の実の中にいるのは、エゴヒゲナガゾウムシ(ウシズラヒゲナガゾウムシ)の幼虫で、釣り餌としても名高いチシャ虫。

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エゴの実の中にいるチシャ虫は、エゴヒゲナガゾウムシの幼虫。成虫が出たあとの実には大きな穴が。

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チシャ虫は釣り餌になるそうですが、まだ使ったことはありません。

 12月半ばに見つけたシャクトリムシは、2月に羽化して、きれいな蛾になりました。ヒトツメオオシロヒメシャクのようです。

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12月半ばに見つけた謎のシャクトリムシ

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謎のシャクトリムシは、羽化させるのが一番。今回はヒトツメオオシロヒメシャクと判明

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2月に羽化したヒトツメオオシロヒメシャク。

 夏場にウマノスズクサがたくさん生えていた場所の近くにはたいてい、怪談皿屋敷に登場するお菊の幽霊がいますね。お菊虫こと、ジャコウアゲハの蛹です。

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お菊の幽霊の正体は、ジャコウアゲハの蛹

 そして冬でも結構生き残っているキボシカミキリです。これは12月15日の写真です。個人的には一番遅い時期の写真かもしれないので、写真に一応日付を入れておきました。年越しもするかもしれませんね。

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12月半ばに見つけたキボシカミキリ

 以上、何の統一性もない冬の虫、一気出しでした。年を取ると怠け癖が付いて、ついブログも休みがち、写真もたまりがちになります。その上、コロナの緊急事態宣言で、外出自粛に加え、増える在宅勤務。家でゴロゴロしている時間が長くなり、フレイル症状が一気に進みそうです。

 緊急事態宣言が解除されたら、また虫撮りに精を出さないと、家族から粗大ごみ扱いされかねませんね。