虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

ゴマダラオトシブミの揺らん作りで思い出す童謡「かあさんの歌」

 オトシブミの仲間のかあさんの揺籃作りにはいつも感心させられますね。今回は水玉模様の装いがいじらしい、ゴマダラオトシブミのかあさんです。虫のかあさんは偉い。「かあさんが夜なべをして手袋編んでくれた~♫」。童謡「かあさんの歌を思い出します。そんな母さんは今は少ないでしょうが、オトシブミの母さんは、今も変わらず、せっせと揺りかごを作っています。

 

 まずはまとめの写真から。高尾で蚊に刺されるのを我慢して撮ったので、かなりはしょってます。

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ゴマダラオトシブミの揺籃づくり

 森の栗やクヌギでこんな形の新鮮な揺籃を見つけたら、近くにゴマダラオトシブミがいる可能性大。

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ゴマダラオトシブミの揺籃の完成形

 いました。やがて孵化する子供のためにせっせと揺りかご作りです。

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揺籃作りにとりかかったゴマダラオトシブミ

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 適当にやっているようで、葉の切り方、巻き方すべて計算があるようです。

 

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葉脈の主脈に斜めの切り込みを入れると葉を巻きやすくなる

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葉裏の主脈に切れ込みがあると、確かに折り曲げるには都合がいい感じ

 一つだけ、揺籃の中身を確認してみました。ちょっと可哀そうですが、昆虫学者(誰が?)としては、欠かせない作業ですね。

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揺籃の中には黄色い卵が一つだけ

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かあさんの思いが込められた卵です

 ゴマダラオトシブミは結構数が多い普通種で、見た目もかわいいので、じっくりと揺らんづくりを観察したい人にはお勧めです。毎年ゴールデンウィークごろからが見ごろかも。でもせっかくのゴールデンウィークを、オトシブミごときのために使うのはもったいないという意見もあります。やっぱり彼女とのデートを優先した方がいいですね。