秋の芋虫探し、ヤブガラシ編第2弾は、コスズメとブドウスズメです。コスズメは毎年腐るほど出会うので、どうでもいいと言えば、どうでもいいのですが、ブドウスズメはなぜか出会いが少ないので、大切に育てたいと思っていました。
ところが、どうでもいいやつほど元気に育ち、お姫様のように大切に育てた芋虫ほど、あっけなく死んでいくのが、世の常。
コスズメの芋虫は、正体不明だった幼少時代から、目玉模様の緑の芋虫になり、終齢になると、突然不気味な茶色い芋虫に変身し、蛹になりました。
ところがブドウスズメの芋虫方は、食欲がないし、全然大きくならない。変だなと思っていたら、ある日背中に寄生蜂の繭を背負っていました。そして当然、芋虫は死に、繭からは、憎き蜂が、やたら元気に飛び出してきました。
これが自然界の掟というものです。寄生蜂がいなければ、世の中は芋虫の天下となって、植物はすべてボロボロになってしまいます。うまくバランスが取れているというわけです。
しかし、どうせ寄生するなら、コスズメとか、セスジスズメとか、腐るほど出会う方の芋虫を選んでほしいものです。わざわざ貴重(昆虫記者にとってだけです)なブドウスズメを選んで寄生しなくてもいいのに。まるで「嫌がらせ」「虫好きハラスメント」だ、などと激怒するのは昆虫記者の身勝手というものですね。