銀一(ギンイチ)と言えば、銀座1丁目、それとも銀河特急1号?。虫好きの間では、言わずと知れた(一般人は誰も知らない)ギンイチモンジセセリですね。
ギンイチモンジセセリは、春に撮ってこそ。夏型はギンイチの名の由来である銀色の一本線がほとんど見えないので、ギンイチであってもギンイチでないのです。
今年は何とか、多摩川河川敷と荒川河川敷で、ギンイチモンジセセリの春型を撮ることができました。などと言うと、どんなにきれいな蝶なのかと思う人がいるかもしれませんが、大してきれいな蝶ではありません。なにせセセリですから。
それでも、銀色の一文字が鮮明な春型は、虫好きにとってはなかなか粋な姿です。でもわざわざギンイチモンジセセリを狙って、多摩川河川敷や荒川河川敷に来ている人は誰もいませんでした。
ギンイチモンジセセリの今年の撮影場所の1つは荒川沿いの秋ヶ瀬公園でした。カメラを構えたすごい人だかりがあったので、何を狙っているのか尋ねたところ、答えはもちろん「ギンイチ」ではなくて、コマドリとのことでした。
最寄り駅の西浦和でもカメラを構えたすごい人だかりができていまいた。狙いはもちろん「ギンイチ」ではなく、寝台特急カシオペアでした。
鳥と電車に比べて、虫のなんと人気のないことか。とくにセセリでは、全く勝負になりませんね。バードウォッチャーや撮り鉄の人口はきっと、虫好きの100倍、1000倍ぐらいなのでしょう。もっと頑張って虫を盛り上げないと、と使命感に燃える昆虫記者でした。