虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

怪虫ざんまい、虫のオスとメス見分けられますか、昆虫食スタディーズ=献本感謝

 昆虫関係の書は春に出すと一番売れるそうで、今春は色々献本していただきました。昆虫記者がブログで紹介したところで、売り上げにはほとんど貢献しないのですが、いただいた1冊分ぐらいの効果があれば、それで良しとしましょう。

 1冊目は裏山の奇人として知られる昆虫学者、小松貴氏の「怪虫ざんまい・昆虫学者は今日も挙動不審」です。

 小松氏とは極寒の2月に、沢の冷水の中でのヒメドロムシ探しにご一緒しました。その難行苦行の様子を時事ドットコムの「昆虫記者のなるほど探訪」で紹介しているので、どれほどの奇人かは、同記事の行間からもにじみ出ていると思います。

 「怪虫ざんまい」は、非常にマニアック(昆虫学者などという者はたいていマニアック)ですが、UMA(未確認生物)を探す探検・冒険物としても非常に楽しく読めます。

小松貴氏の「怪虫ざんまい」

「怪虫ざんまい」の漫画的な中見出し。虫探しを楽しむ小松氏の行動は漫画的に面白いです。

 2冊目は、昆虫記者の虫撮り仲間、虫友でもある昆虫写真家、森上信夫氏の「虫のオスとメス、見分けられますか」です。

 さすが昆虫写真家という写真の美しさが際立つ一冊です。小中学校で虫博士として名をはせるためには必読の書です。昆虫記者でさえ知らない(浅学なので当然ですが)見分け方が丁寧に説明されています。なお、カバー裏面と10、11ページにあるヒゲコメツキの写真のうち、オスはたぶん昆虫記者が被写体を提供したものだと思います。なので、光栄なことに、協力者一覧の中に昆虫記者の名前(本名)も出てきます。

森上信夫氏の「虫のオスとメス、見分けられますか」

このヒゲコメツキのオスはたぶん、昆虫記者が提供したもの。

 3冊目は、昆虫食の普及に力を入れている異色の昆虫学者、水野壮氏の「昆虫食スタディーズ・ハエやゴキブリが世界を変える」です。

 面白がって虫を食べる(興味を持つという点でこれも非常に大事です)だけでなく、タンパク源としての重要性、生産効率、環境負荷、昆虫食の歴史など、さすがは学者(昆虫記者とは大違い)という的確な情報分析、鋭い考察に満ち溢れた一冊です。昆虫記者お勧めの食材であるヤシオオオサゾムシの幼虫、バラエティー系美人タレントの井上咲楽.さんの好物らしいモンクロシャチホコの幼虫(俗称サクラケムシ、咲楽さんの眉毛とは無関係)なども登場します。

水野壮氏の「昆虫食スタディーズ」

ヤシオオオサゾウムシやモンクロシャチホコも登場します。