ウチスズメは一見地味なスズメガです。しかし、この蛾を見くびってはいけません。ウチスズメの魅力は、普段は見せない下翅にあるのです。
ウチスズメの下羽の模様は、色鮮やかなびっくり目玉。でも、この目玉模様は敵を威嚇するためのものらしく、平時には見せてくれません。
その下翅見たさに、これまで2回、幼虫を飼育したのですが、寄生されていたり、羽化不全になったりで、いずれも失敗しました。そして今年、昆虫文学少女の麻由子ちゃん宅から幼虫を分けていただき、再挑戦。
麻由子ちゃん、ありがとう!。今回は羽化に成功しました。しかし、脅してもすかしても、ほとんど下翅をみせてくれません。
しかたなく1日プラケースに入れたままにして、翌日に再チャレンジ。狭いケースの中で、翅がかなり擦れて傷んでしまったのですが、それでも何とか、びっくり目玉を拝見できました。
刑事コロンボの薄汚れたレインコートのような上翅の下から、突然現れる色鮮やかな目玉模様。天敵もびっくり仰天することでしょう。
女性の前でコートを広げて一物を露出するフラッシャーの姿を一瞬思い浮かべましたが、ウチスズメのフラッシュは自己防衛のためのもので、公然わいせつ罪にはなりません。こんなフラッシュなら、いつでも大歓迎です。
ついでにウチスズメの幼虫もご紹介します。なかなかに器量良しです。主にヤナギにいるので、出会う機会がもっと多くてもいいと思うのですが、近所で見つけたのは2回だけ。来年はもっと丹念に探そうと思います。