虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

ウチスズメの地味な上着の下に隠されたびっくり目玉

 ウチスズメは一見地味なスズメガです。しかし、この蛾を見くびってはいけません。ウチスズメの魅力は、普段は見せない下翅にあるのです。

 ウチスズメの下羽の模様は、色鮮やかなびっくり目玉。でも、この目玉模様は敵を威嚇するためのものらしく、平時には見せてくれません。

ウチスズメのびっくり目玉。これなら天敵も仰天するかも。

 その下翅見たさに、これまで2回、幼虫を飼育したのですが、寄生されていたり、羽化不全になったりで、いずれも失敗しました。そして今年、昆虫文学少女の麻由子ちゃん宅から幼虫を分けていただき、再挑戦。

 麻由子ちゃん、ありがとう!。今回は羽化に成功しました。しかし、脅してもすかしても、ほとんど下翅をみせてくれません。

 しかたなく1日プラケースに入れたままにして、翌日に再チャレンジ。狭いケースの中で、翅がかなり擦れて傷んでしまったのですが、それでも何とか、びっくり目玉を拝見できました。

ウチスズメは上翅だけ見ると非常に地味なスズメガです。

ようやく見られた憧れのびっくり目玉。かなり傷んでしまったのが残念。

 刑事コロンボの薄汚れたレインコートのような上翅の下から、突然現れる色鮮やかな目玉模様。天敵もびっくり仰天することでしょう。

 女性の前でコートを広げて一物を露出するフラッシャーの姿を一瞬思い浮かべましたが、ウチスズメのフラッシュは自己防衛のためのもので、公然わいせつ罪にはなりません。こんなフラッシュなら、いつでも大歓迎です。

 ついでにウチスズメの幼虫もご紹介します。なかなかに器量良しです。主にヤナギにいるので、出会う機会がもっと多くてもいいと思うのですが、近所で見つけたのは2回だけ。来年はもっと丹念に探そうと思います。

なかなかに器量良しのウチスズメの幼虫