虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

大町観察園にキノカワガが必ずいる謎が解けた

 いよいよ12月。冬ですねー。冬は探す虫が限られるし、探される虫の方は、たいてい誰にも見つからないように身を隠して越冬態勢に入っています。それを暴くのが、冬の虫探しの醍醐味ですね。
 まずは定番のキノカワガを探しに行きました。普通は狙って探しに行って簡単に見つかるような相手ではないのですが、これまでの経験から言って、絶対に外れがないのが、千葉県市川市の大町自然観察園です。なぜここで必ず見つかるのか、不思議に思っていたのですが、最近謎が解けました。
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 最初に見つけたのが、この子。やはりシデの幹にいました。しかし、この写真では「いったいどこにいるんじゃい」という感じですね。

 ここは梨園に囲まれているのですが、梨の直売所を覗いてみると、もはや梨があるはずはなく、柿ばかりが並んでいました。そうなのです。きっとこのあたりは、梨とともに柿もたくさん生産しているに違いないのです。そして、キノカワガの幼虫の食樹を調べると、何と、カキノキ科のカキとなっているではありませんか。そして、昆虫記者の経験上、越冬の際に好む木の一つとみられるシデの木がこの公園には多い。

 そして今年もやっぱりシデの木にいました。ちょっと高いところだったので、まずは最初の遠目からの写真になりました。

 ズームアップすると。
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 2匹目は、ちょうど目の高さぐらいにいてくれました。
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 しかし、なんと地味なやつなのでしょう。どんなに苦労して撮っても、全く見栄えがしませんね。

 だから通行人も誰も気が付かないし、その写真を撮っている虫記者は木の幹に生えた苔のようなものを必死で撮影する一般人には理解不能なマニアック研究者と思われていることでしょう。

 そして3匹目。2匹目の隣の木にいました。このあたりが、一番見つけやすい場所です。
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「お前さん一体何撮ってんねん」。瀕死のハラビロカマキリにまで、不審の目で見られてしましました。
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普通の人は、シデの木の苔みたいなものでなくて紅葉とか撮るものです。
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