虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

2014-01-01から1年間の記事一覧

土をつくる生きものたち

日本農業新聞には、自然系、虫系のすごい達人がいます。その名は谷本雄治さん。谷本さんが文章を担当する「土をつくる生きものたち」は、子供向けの自然解説書として、ロングセラー、というか永遠のベストセラーですね。特に私が好きなのがクマムシのページ…

師走の虫探し・ヤツデの葉裏編

師走の虫探しの穴場は、ヤツデの葉裏です。特に地面近くにある大きな葉の裏が、小さな越冬昆虫たちにとっては居心地のいい隠れ家になっているようです。 まずは常連の「前向きだまし」ことクロスジホソサジヨコバイ。羽先にある第2の顔が、とぼけていて、い…

師走の虫探し・フユシャク編その②ホルスタイン

年の暮れも押し詰まった28日、またしてもフユシャク探しです。年内にホルスタイン柄のチャバネフユエダシャク♀に会えるチャンスは、事実上これが最後。状況はかなり厳しいと言わざるを得ません。 いつものように木柵を丹念にチェックしていきます。 おっ、…

師走の虫探し・フユシャク編その①

冬の虫探し。「これを見ないと年が越せない」、と言えば、やっぱりホルスタインこと、チャバネフユエダシャクの♀。 フユシャク探しは、木柵の多い公園が楽ですね。東京近郊では、川崎の生田緑地とか、横浜の舞岡公園とかが有名所。でも今年は全般に少ない感…

ムシとヤマのススメin飯能⑥とうのす山のモンシデムシ

多峯主山。これで「とうのすやま」と読みます。ヤマノススメでは、ここで感動的シーンがありました。富士登山の途中で高山病になり大きな挫折を味わった「あおい」が、立ち直りのきっかけをつかむのが、多峯主山の頂上です。標高たった271メートルの山な…

ムシとヤマのススメin飯能⑤天覧山のミヤマセセリ

天覧山では、こんな初めての出会いも。 2枚重ねられたコナラの葉。これはかなり怪しい。冬には、二枚重なった葉っぱは必ずめくってみましょう。 奥に光るオレンジ色の目のようなもの。ますます怪しい。 暴き出されたミヤマセセリの幼虫。こんな姿なんですね…

ムシとヤマのススメin飯能④天覧山のコマダラウスバカゲロウ

ヤマノススメの聖地、天覧山にも擬態の極致の虫がいました。 コマダラウスバカゲロウの幼虫です。落とし穴を作らないタイプのアリジゴクで、苔に擬態して獲物を待ち伏せることで有名です。普段でも見つけるのが困難なのに、岩肌の苔にまみれて越冬しているの…

平穏に戻った代々木公園のアトリ

夏場にはデング熱で大騒ぎになった代々木公園。蚊の駆除で大打撃を受けたであろう虫は諦めて、鳥見です。 アトリの群れが来ていました。都心でアトリを見たのは初めて。目立たない鳥なので、たぶんこれまで気付かなかっただけですね。 男らしいので、たぶん♂…

ムシとヤマのススメin飯能④天覧山のオオムラサキ

ムシとヤマのススメin飯能もいよいよ、昆虫濃度の濃い山の中へ。天覧山は、標高わずか197メートルとは言え、山は山。ヤマノススメでは、高校で再会したあおいとひなたが、一緒に上る最初の山ですね。 ヤマノススメには、あまり虫は登場しないようですが…

葛西のノスリ

虫が越冬態勢に入って姿を隠すと、鳥の姿が目立ってきます。虫撮りに行って、鳥だけ撮って帰って来ることも多くなる季節ですね。 葛西臨海公園の池にはカモがいっぱい。そのカモを狙っているのでしょうか、池を見下ろす松の木の上にはノスリ。 やっぱり猛禽…

ムシとヤマのススメin飯能②飯能河原のコミミズク

漫画・アニメのヤマノススメで、あおい、ひなたがアウトドアライフをエンジョイした飯能河原も、冬はほとんど人気がなく、ひっそり。人の数よりサギの数の方が多いようです。 河原のエノキの落ち葉の中では、ゴマダラチョウの幼虫が越冬してました。 カシの…

ムシとヤマのススメin飯能、その①

埼玉県の飯能市は、漫画・TVアニメ「ヤマノススメ」の主人公、雪村あおい、倉上ひなたが暮らしている町。アニメの聖地を訪ねて回る巡礼者が絶えません。 しかーし、虫記者がアニメの聖地巡礼だけで満足するはずはありませんね。ヤマノススメ飯能編は、いつ…

カメノコテントウとナミテントウの交尾

埼玉の電信柱めぐりの続編です。 今年は、カメノコテントウが不作。一本の柱につき1匹ぐらいしかいません。 なので、交尾相手にも事欠くようで、ナミテントウに襲い掛かるふとどき者も。 追いかけて。のしかかって。持ち上げて、力づくで交尾しようとしてい…

虫本・だんまりこおろぎ

シンガポール赴任時代に、子供のために買ったエリック・カールさんの、虫を主人公にした絵本シリーズ。その中で、私が一番好きなのは、THE VERY QUIET CRIKET、「だんまりこおろぎ」です。 生まれたばかりの小さなコオロギが、色々な虫た…

時事ドットコムの昆虫記者更新、ヒナカマ対決編です

時事ドットコムの昆虫記者、更新しました。今回は三浦と八王子のヒナカマキリ対決です。 このブログで紹介した「ヒナ祭り」をまとめたものです。きれいに編集すると、立派に見えるものですね。さすが時事ドットコム。編集の皆様、いつもありがとうございます…

ジャポニカ学習帳の虫、頑張れ!

ジャポニカ学習帳の表紙から昆虫の写真が消えていたそうですね。虫が気持ち悪いという声が多かったからとか。虫の写真のジャポニカを選んで買っていた我が家にとっては衝撃です。生物多様性という言葉は、どこに消え去ってしまったのでしょうか。 蛾とか、イ…

妊婦姿のヨモギハムシ

埼玉の某公園、冬の虫探しは続きます。 ヨモギハムシも寒さに強い虫ですね。今頃お腹パンパンの雌をよく見かけます。 かなりパンパンです。 でも、これはパンパン過ぎでしょ。羽が閉じられなくなっているようです。 アカスジキンカメ幼虫とトホシテントウ幼…

師走は電信柱めぐりの季節

いよいよ師走。電信柱や鉄塔めぐりの季節になりました。 鉄塔にはテントウムシをはじめ、たくさんの虫が飛んできます。立ち枯れの大木と勘違いしているのでしょう。 下の方には、既に越冬態勢に入った集団も。中央の子は、巡り合うと幸運がやって来る気がす…

ヤマギシモリノキモグリバエの越冬

今日は月曜。来訪者も少ないと思うので、あまり見たくない系のものを載せようかと。 埼玉の某所。そろそろ冬越しの虫の季節ですが、マテバシイの葉にビッシリと、金属製の玉のようなものが付いていました。 お宝っぽい輝きに吸い寄せられて、近づくと、ボロ…

ホソミオツネンの居場所確認

千葉の泉自然公園では、毎年確実にホソミオツネントンボが見られます。厳冬期の虫見に備えて、今のうちにいる場所を確認しておきましょう。そうでないと、木枯らしの中で無駄骨を折ることになりかねません。 今頃はまだ元気に飛び交っているので、あちこちの…

食用にならないガザミ、ガザミグモ

カニグモの仲間は蟹に似ています。その中でも、ガザミグモは、いかにもカニ。食べておいしいカニの「ガザミ」の名前をもらっているくらいですから。 ワタリガニという、味噌汁の出汁になるカニがいますが、ワタリカニグモというのもいるらしいです。ただし、…

オシドリ夫婦の季節

冬の泉自然公園で毎年必ず会えるのがオシドリ夫婦。オスは美しく、メスはかわいい。理想的なカップルですね。 今年はやたらオスが多くて、雌の奪い合い状態。 他のオスが枝に登ってこようとすると、上のオスが蹴落としていました。下にはライバルがいっぱい…

新鮮なヤマカマスを探して

千葉の泉自然公園。ここはヤマカマスが多い。でも、今年は不作でした。見つかったのはたった2つ。それも経年劣化したようなのばかり。 こんなのでは、期待していた「おまけの卵」が付いているはずもありません。 最近読んだ「イモムシのふしぎ」に載ってい…

葛西臨海公園、冬の虫

まだまだ暖かい葛西臨海公園ですが、それでもやっぱり、成虫越冬する虫たちが圧倒的に幅を利かせるようになってきました。 真冬にも飛び交う姿を見るアカタテハ。 バッタならやっぱりツチイナゴ。 がに股のホソヘリカメムシも成虫で越冬します。 こんな恐ろ…

ムラサキツバメ、まだ越冬の気配なし

先週末の葛西臨海公園。そろそろムラサキツバメの集団越冬が見られるかと期待していましたが、まだまだ暖かい南関東。 モンシロチョウもまだまだ元気。 オオスズメバチの危険も、まだあちこちに。 ウラギンシジミ♀も、まだ越冬の気配なしで、忙しく飛び回っ…

ヒメアカタテハの隠れ家を暴く

埼玉秋ヶ瀬公園の土手はヨモギが多いので、ヒメアカタテハの隠れ家があちこちに。 アカタテハはカラムシを巻きますが、ヒメアカタテハはヨモギを巻きます。どちらも、緑の中に白い葉裏が見えるので、見つけやすいですね。 一つヨモギの家を開いてみました。…

TBSラジオに虫記者再出演か。ドキドキの生放送

11月20日(木)、TBSラジオの「荒川強啓デイキャッチ!」に、昆虫記者として再出演することになりました。 午後5時過ぎから、5時半ぐらいまで。この番組、何と生放送なんです。2回目とはいえ、やっぱりドキドキしますね。 テーマは冬の虫。「なぜ…

はらぺこあおむし

今回の虫本は、シンガポール赴任時代に子供のために買った絵本から「はらぺこあおむし」です。 世界的なベストセラー絵本作家のエリック・カール氏。日本で一番知られているのは、「はらぺこあおむし」ですね。エリック・カールさんの絵本には虫を主人公にし…

ミノウスバの発展場

先週埼玉県の秋ヶ瀬公園を訪れてみると、ミノウスバが恋のシーズンを迎えていました。 マサキの一本の枝に5、6組のカップルが集まって、集団見合いの最中。 カップルがたくさん集まると興奮度が増すのでしょうか。 交尾中のものもいれば、お産の最中のもの…

アオマツムシのストーカー行為

勢力を拡大し続けている外来種アオマツムシ。今や秋の虫の音と言えば、この騒々しい「リー、リー、リー」だと思っている人も多いようです。 先日、求愛の最中の♂を見つけました。ちょっと離れたところにいる♀に、例の騒々しい歌声で誘いをかけていました。 …