虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

冬の虫探しは水の中が結構お勧め。まずはヒラタドロムシの幼虫。ビラビラの鰓はちょっと不気味。

 都内の小川で岸近くの石をひっくり返したら、ヒラタドロムシの幼虫がたくさん張り付いていました。ほかの石をひっくり返してみると、ほぼどの石にこいつが付いている。結構たくさんいる虫なんですね。

小川の小石の裏にたくさんいるヒラタドロムシ幼虫。

 成虫は何度か見かけていましたが、非常に地味で絵にならない虫なので、写真に撮った記憶はほとんどありません(反省)。今年は無視せず、しっかり成虫の写真も撮りたいと思います。

 ヒラタドロムシの幼虫は、磯にいるアワビやヒザラガイのようで、昆虫らしくは見えません。

 しかしひっくり返してみると、しっかりと顔があり、6本の脚もあります。腹部の白いビラビラは鰓(エラ)ですね。ちょっと気味悪い姿ですが、昆虫の祖先が、水中から陸へと進出していった進化の過程を見るようです。

磯にいるヒザラガイによく似たヒラタドロムシ幼虫。

裏返すと虫だと分かります。

ビラビラの白い鰓は若干不気味。

 

三鷹市の野川でカワセミ専用のお食事処を発見

 三鷹市の野川で、カワセミ専用のお食事処を発見しました。恐らく地元の愛鳥家と思われる方が、川の中に入って、懸命にお食事処を建設している現場に遭遇。大きな石を集めて中州のようなものを作り、その中にカワセミ用の止まり木を設置。止まり木の下の方には、網で囲った小さな生簀(いけす)のようなものまで設けられていました。

果たしてカワセミはやって来るのか。

労作のカワセミ専用お食事処の概観

 大きな石に張り付けられた粘着テープには「よい子のみなさん、カワセミの止まり木をとったり、🐟をとったりしないでね」の文字。

よい子のみなさん、カワセミの止まり木をとらないで。

 こんなに苦労して作ったカワセミの休憩所兼お食事処なのに、カワセミが来なかったら悲しい、と思っていたら、しばらくして本当にカワセミがやって来ました。苦労のかいがありましたね。

本当にカワセミがやって来ました。

専用お食事処がお気に入りのようです。

 よい子のみなさん、止まり木や🐟をとらないで下さいね。

ドングリの虫の正体。今回はコナラシギゾウムシ。

 毎年のように、気の長いドングリ虫飼育をしてますが、今年はコナラシギゾウムシが豊作でした。

 10月にコナラ林でたくさん見つけたコナラシギゾウムシを、コナラドングリと一緒に入れておいたら、ドングリにセッセと穴を開けて産卵(産卵の瞬間は目撃できず。来年の課題ですね)してました。

長い口(口吻)が魅力のコナラシギゾウムシ。産卵のためドングリにセッセと穴を開けていました。

たぶんコナラシギゾウムシ。メスの口吻は異常に長い。

コナラシギゾウムシ(たぶん)のオス。オスの口吻は短い。

交尾態勢のコナラシギゾウムシ。オスメスの口吻の長さの違いが分かる。

 口(口吻)が異常に長いのはメスです。オスの口はメスの半分ほどの長さしかありません。メスの長い口は産卵の際に役に立つわけですが、ここまで無駄に長くなくても、十分ドングリの中心に届くと思います。でも口が長いほど絵になるので、これでいいのです。

 そして11月になると、コナラドングリから次々と幼虫が這い出てきました。プラケースの中で土に潜らせて、あとは来年夏に成虫が出てくるまでのんびり待つだけです。

脱出用の穴の開いたコナラドングリと、コナラシギゾウムシの幼虫。

ドングリに開いた目立つ穴は、既にシギゾウムシの幼虫が脱出した証拠。

コナラシギゾウムシの幼虫。来夏の羽化まで気長に待とう。

 

水元公園でオオタカに遭遇。鳥用カメラがほし~い。

 たまに鳥です。本日、水元公園オオタカに遭遇。と言っても、たくさんのバードウォッチャーさんが集まっているところに割り込ませていただいただけですが。

 天気が急に悪くなってからの撮影で、しかも虫用のカメラを使っているので、写真のクオリティーは相当に低いです。

水元公園オオタカに遭遇。実際はウォッチャーさんの集団に割り込んで撮影しただけ。

「いつも来ているオオタカ」とのことなので、結構な頻度で見られるようです。

今にも飛びそうな態勢ですが、この時は飛びませんでした。

 虫記者としては、やはり虫も撮らないといけないので、オオタカ撮影に多大な時間を割くわけにもいかず、10分程度で切り上げました。そしたら途端に晴れ間が出て、悔やむことしきりでした。

 鳥用の大砲級望遠レンズを付けた一眼レフは、資金的、体力的に無理としても、もう少し望遠能力の高いコンデジが欲しいですね。財政難の我が家で、妻の許可が得られるかどうか。近いうちに、恐る恐る購入許可を申し出てみようと思います。

 他の鳥では、今年もカンムリカイツブリが数羽見られました。

毎年来ているカンムリカイツブリ

常連のジョウビタキは今年も健在。

 

ワールドカップのゴールと比べると超地味なオジロアシナガゾウムシ(パンダゾウムシ)のゴール

 冬になると、葉の落ちたクズの茂みにオジロアシナガゾウムシ(白黒模様から成虫はパンダゾウムシと呼ばれることも)のゴールが目立つようになります。ゴールと言っても、ワールドカップの日本チームの劇的ゴールとは比べ物にならないほど地味なものです。ゴールとは、植物の茎などに虫が産卵することでできる虫こぶ、虫癭(ちゅうえい)のことですね。

オジロアシナガゾウムシのゴール(左)とゴール内の蛹(右)

 アブラムシが入っているゴールは、開くとウギャーとなりますが、オジロアシナガゾウムシのゴールには、そんな恐怖感はありません。中は空っぽでない場合には、幼虫、蛹、成虫のいずれかが入っています。今頃は成虫が多いと思います。

 10月に開けてみたゴールの中には成虫が入っていましたが、11月に開いたゴールには蛹が2つ入っていました。

このゴールには蛹が2つ入っていました。

 

蛹の段階でも象のような鼻の形が分かる。

ゴールの中にはこんな蛹室が1~4つぐらい入っています。

蛹室から出てきたオジロアシナガゾウムシ成虫。

このゴールには2匹が入っていた。

オジロアシナガゾウムシの成虫は、こんな感じでクズの茎につかまっていることが多い。

 植物の茎につかまって成虫越冬している姿をよく見かけるので、ゴールの中で羽化した成虫は、晩秋にゴールから出て越冬するのでしょう。でも寒い冬はゴールの中で越冬した方が楽そうですね。そんなちゃっかり者もいるかもしれません。

 

 

久々にゴミ擬態のアオシャク幼虫発見。動かなければ絶対見つからない。

 アオシャクの仲間の幼虫の中には、体にたくさんのゴミを貼り付けているゴミ擬態の芋虫がいます。

 今回見つけたのは、かなり小さな幼虫なので、幼虫越冬するのかも。以前3月に大きな幼虫を見つけたことがあるので、若齢幼虫で越冬して、春に大きくなるのではないかと思います。

 まずは以前見つけた大きな幼虫。動かなければゴミに見えるのでしょうが、蛹化準備のためか地面に下りてゴソゴソしてたので、簡単に見つかりました。その上、体に張り付けた落ち葉が、まるでヨットの帆のように大きくて、目立ちすぎ。ゴミ擬態するなら、材料を厳選した方がいいと思います。

3月に見つけたゴミ擬態のアオシャク幼虫。大きすぎるゴミがヨットの帆のようで、目立ちすぎかも。

 そして今回見つけた小さな幼虫。飼育中の芋虫の餌用にクワの小枝を切り取ったら、偶然そこにいました。そんな偶然がなかったら、昆虫記者の節穴の目では、絶対に見つからなかったでしょう。これ、絶対ゴミにしか見えません。

昨日見つけたゴミ擬態のアオシャク幼虫。

動き出せは、その動作から尺取り虫だと分かる。

じっとしている時は、頭の内側に入れていて、ゴミのかたまりにしか見えないアオシャク幼虫。

この状態でイモムシだと見破るのは至難の業。

 動き出せば、尺取り虫だと分かりますが、じっとしている時は、頭を内側に曲げているのが基本姿勢のようなので、まさにゴミのかたまり。芋虫だと見破るのは至難の業です。

カマキリの洗脳に失敗したハリガネムシの壮絶な最期…と思ったら昆虫記者のおせっかで復活。

 先週末に三鷹市の野川の川辺で壮絶な光景を見かけました。必死の形相で木にしがみつくハラビロカマキリの腹部から2匹のハリガネムシが突き出ていたのです。カマキリの脳を操って、ハリガネムシの繁殖の場である川の流れの中に飛び込ませようとしたのでしょうが、川まであと一歩のところで、カマキリが力尽きてしまったようです。

カマキリ腹から突き出た状態で干からびたハリガネムシ。入水自殺させるための洗脳に失敗したようだ。

ハリガネムシをぶら下げたカマキリがいたのは矢印の場所。左に川がある。

発見時のカマキリとハリガネムシの状況。

ハリガネムシのうち1匹はカマキリの腹を突き破っていた。痛そう。

野川の川辺はのんびりできて素敵な所。

 1匹のハリガネムシはカマキリの尻から、もう1匹はカマキリの腹を突き破って、外界に顔を出したのですが、そこに水はなく、もがき苦しむうちに干からびてしまったのでしょう。自然界の驚異、生命の不思議、時に残酷な生存競争など(大げさ)を思い起こさせる壮絶、かつ荘厳な光景でした。

 しかし、それだけでは昆虫記者の科学的探究心(と言うより幼稚な好奇心)は満たされません。カマキリの腹からハリガネムシの全身を引っ張り出して、水を入れた容器にひたしてみました。果たして、干からびたハリガネムシは復活するのか。

 しばらすると、ハリガネムシは本来のツヤツヤした肌を取り戻し、クネクネと動き始めました。そして心優しい昆虫記者は、復活したハリガネムシを川に放してやったのでした。

カマキリの腹から引き出した2匹のハリガネムシ。この段階では干からびてカチカチ状態。

干からびたハリガネムシを水に入れたら見事に復活しました。

 ツルの恩返し、浦島太郎のカメの恩返しのように、きっとハリガネムシの恩返しがあることでしょう(恩返しに寄生されたらどうしよう)。